Netflixシリーズ『極悪女王』の緊急完成報告会が9月12日（木）に都内で行われ、ゆりやんレトリィバァ、唐田えりか、剛力彩芽、白石和彌総監督が登壇した。

企画・脚本・プロデュースに鈴木おさむ、総監督に白石和彌という強力タッグで贈る本作は、80年代カリスマ的人気で女子プロレス旋風を巻き起こしたダンプ松本の知られざる物語を描く半自伝ドラマ。1980年代、男女の不平等や女性蔑視が問題視されずに当たり前であった時代の日本が舞台。そんな時代と格闘し、日本中を熱狂させ空前のブームを巻き起こしたのは女子プロレスだった。正統派プロレスラーとしての成功に憧れながらもクビ寸前だったダンプ松本が悪役に転身し、クラッシュ・ギャルズとして日本中のスターへ駆け上がる長与千種、ライオネス飛鳥ら仲間たちとの友情と戦い、様々な代償や葛藤を抱えながら“日本史上最も有名なヒール”に成り上がっていく様を描く。主人公・ダンプ松本役を文字通り体当たりで演じたのは、マルチな活躍で人気を誇るゆりやんレトリィバァ。落ちこぼれとしてスタートしながらスターの階段を駆け上がる長与千種には唐田えりか。同期でも最も運動能力が高く技術に秀でていたライオネス飛鳥を剛力彩芽が演じる。

“アメリカで売れたい”という思いがあったというゆりやんは、Netflixで世界配信される本作への出演が決まった際には「これでアメリカで売れると思った」と笑いを交えて明かしつつ、出演にあたっては体作りにも時間をかけたという「（本作への出演の前に）何年かかけて45㎏減らしたんです。その後、当時のダンプさんの印象に近づけるために体を大きくするということで、最初は自分にできるかなという思いがあったんですけど、こんなにありがたいことはないと思う。45㎏増量して、今また30㎏くらい減らしました…まだ10㎏残ってるじゃないか、言うな！」と笑いを誘った。

キャストはオーディションで決まったという本作だだ、「どの役になるか分からないオーディションだった」という唐田は「いろんな記事を読んで長与さんの事を知っていくうちに、この人を演じたいと思って。どの役になるか分からなかったけど、長与千種をとるという気持ちでオーディションに挑んでいました」と明かした。また、「オーディションの時点で坊主にならないという条件があった」と振り返りつ「また髪の毛は生えてくるし、そんなことより長与さん自身の魅力に惹かれて」と出演への覚悟を語った。

オーディションの際は「29歳の時にお話を聞いて、新たに挑戦する、何かやったことがないことに挑戦したいと思っていた」という剛力は「（自身に）プロレスラーのイメージはないだろうと思って」とオーディションを受けたという。一方で、プロレスラーという役どころを演じることには「不安がないというわけではないんですけど、参加する高揚感のほうが強かったのでブレることはなかった」と振り返った。

また、『極悪女王』は「いろんなものが詰まっている」と話すゆりやんは「ダンプさんは子どものころからプロレスラーになりたいという思いを持って大活躍をされた。私も芸人になりたいという思いを胸に芸人にならせてもらった。ここにいらっしゃる方もそういう思いを持って大人になったり、子供の方は今持っている夢とかいろんな思いがあると思う。それを目の当たりにできる作品だと思うし、タイムスリップした気持ちになる作品でもあります」と本作をアピールした。

「命を燃やして現場に行った。現場に行けば勝手に感情が動かされるということがたくさんあって、ありがたい現場に入れていると思った」と話す唐田は「完成した作品を見て、改めてすごいものができたという自信があります」と語り、「誰が見ても笑えて泣けて、心が震える作品です。演じながら諦めないという強さを改めて学びました」と本作に込めた思いを語った。

「プロレスを知らない方にもプロレスのすばらしさを届けられたら」という剛力は「この作品は携わっている方のエネルギーがだれ一人欠けてはいけなかったくらいの熱い思いとか魂が宿っていると感じたので、この作品を見ただけで自分の中で何かが芽生えてくれたらうれしい。何かのきっかけになってくれたらうれしい」と思いを語り、「覚悟というか。私自身はお芝居とプロレスはどこか似ていると感じる部分があって。相手との向き合い方への考え方は変わった気がします」と語った。

さらにイベントの終盤では、竹刀打ちによる“極悪験担ぎ”を実施。ゆりやんから希望した記者への竹刀打ちを行った後に、その様子を見ていた白石監督自らが「俺もいっていいですか？」と志願、監督にも竹刀打ちを行うことに。思わぬ展開にゆりやんは「和彌監督！私たちをここに連れて来てくれてありがとうございます！『極悪女王』で世界一獲れるのは、白石和彌だろ！」と熱い思いとともに涙をこぼしながら竹刀打ちを行い、会場を沸かせた。さらにゆりやんは「白石和彌監督がいらっしゃらなかったら私たちはどうなっていたんだ、『極悪女王』に出させてもらっていなかったら我々はどんな人生を送っていたのか想像もできないくらいこの作品は大きなものです。見ていただいたみなさんの人生にも何か心に残って、一歩踏み出せるきっかけになると信じています」とメッセージを送った。

【写真・文／編集部】

Netflixシリーズ『極悪女王』は2024年9月19日（木）よりNetflixにて世界独占配信
出演：ゆりやんレトリィバァ、唐田えりか、剛力彩芽
　えびちゃん（マリーマリー）、隅田杏花、水野絵梨奈、根矢涼香、鎌滝恵利
　安竜うらら、堀桃子、戸部沙也花、鴨志田媛夢、芋生悠
　仙道敦子、野中隆光、西本まりん、宮崎吐夢、美知枝
　清野茂樹、赤ペン瀧川、音尾琢真
　黒田大輔、斎藤工、村上淳