『チャチャ』の完成披露上映会が9月24日(火)に新宿ピカデリーで行われ、伊藤万理華、中川大志、藤間爽子、塩野瑛久、酒井麻衣監督が登壇した。

本作は、新進女優と次世代監督がタッグを組み、「不器用に、でも一生懸命“今”を生きるヒロインたち」をそれぞれの視点で映画化するプロジェクト、“(not) HEROINE movies”=ノットヒロインムービーズの第4弾公開作品。監督を務めるのは、「美しい彼」シリーズで多くのファンの心をつかみ、今もっとも注目を集めるクリエイター・酒井麻衣。本作は酒井にとって7年ぶりの完全オリジナルストーリー。主演を務めるのは、実力派俳優として幅広いフィールドで唯一無二の存在感を発揮している伊藤万理華。デザイン事務所で働くイラストレーターの主人公・チャチャ。自由奔放な振る舞いで周囲から反感を買うこともあるが、人目は気にせず、好きなように生きるをモットーに過ごす日々。そんなチャチャが屋上で偶然出逢った、謎めいた青年・樂に興味を持ち…。

自由奔放な主人公・チャチャを演じる伊藤は「ちゃんとキャラクターとして現実にいてもおかしくないようにしたいと思った」と振り返りつつ、実際に演じてみると「(監督から)『もうちょっと伊藤さんのままでいいよ、そのままでいいよ』と言われて」と明かし、「意識的にいつもの無意識を出すのが難しかったです」と振り返った。酒井監督は「伊藤さんと出会って、チャチャさんいらっしゃると思って」というほど役にハマっていたことを明かし、「知れば知るほど魅力的で、伊藤さんによってチャチャが彩られていく」と語った。

チャチャが想いを寄せる樂を演じる中阿川は「(樂が)どんどん好きになっていった」といい、「僕自身にないもの、ない空気感をまとっているキャラクターで、だからこそ、憧れという感覚を持ちながら(脚本を)読んだ」と振り返った。そんな中で「樂はこうじゃなくちゃいけないという理想像が出来上がっていって。理想が高くなっていって、そういえば俺がやるのかとプレッシャーを感じてしまうような魅力的なキャラクターです」と語った。演じる上では「危うさ、ミステリアスさとか。目の前にいるんだけど違う世界にいるような、不思議な魔力を持った男の子で、説得力を持って演じなくては成立しないと思った」と役作りについて語った。

チャチャの会社の同僚・凛を演じる藤間は「チャチャさんも不思議な存在ですけど、凛ちゃんも風変りというか」「憎めない愛らしいキャラクター」といい、「モノローグが多かったので、みんな客観的に見るようなストーリーテラー」と紹介した。

そんな中で「あまり言えないんです」という塩野は「物語の意外な部分に関わってくる」と言葉少なに語り、「一言で表すならヒモ。でもヒモを紐解くと、愛され力だと思ったんです。いかにして経済的に自立をしていなくても人から愛されて、サポートしてもらえて、そばに置きたいと思ってもらえるかを意識しながら護という人物を構築していって」と振り返った。そんな“ヒモ役”について「(過去のインタビューで)『ヒモ役とかやってみたいですね』と言っていたら、まさかの、しかも一度ご一緒したことがある酒井監督のオリジナル作品にヒモ役で出れる。これは願ったりかなったりだなと(笑)」と明かすと観客からは大きな拍手が送られた。

【写真・文/編集部】

『チャチャ』は2024年10月11日(金)より新宿ピカデリーほか全国で公開
監督・脚本:酒井麻衣
出演:伊藤万理華/中川大志
藤間爽子、塩野瑛久、ステファニー・アリアン、落合モトキ、藤井隆
配給:メ~テレ、カルチュア・パブリッシャーズ 配給協力:ラビットハウス
©2024「チャチャ」製作委員会