『Cloud クラウド』の公開記念舞台挨拶が9月28日(土)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、菅田将暉、奥平大兼、岡山天音、荒川良々、窪田正孝、黒沢清監督が登壇した。

本作は、『スパイの妻』(2020)で、第77回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した黒沢監督の最新作で、憎悪の連鎖から生まれる“集団狂気”を描いたサスペンス・スリラー。「何かに狙われている――?」転売で稼ぐ吉井の仕事が軌道に乗り出した矢先、周囲で不審な出来事が重なり、これまでの「日常」が壊されていく……。主演の菅田将暉は、「ラーテル」というハンドルネームを使い、転売で稼ぐ主人公・吉井良介を演じている。

舞台挨拶では、“指差しトーク”として、質問にあてはまる人を一斉に“指差し棒”で示した。初めに“いい意味で裏切られたと思った人”について、黒沢監督を示した菅田は「フランクに話してくださるのは意外」、荒川は「現場が平和」と作品から受ける井印象とは異なっていたことを明かした。

その黒沢監督は窪田を示し、「クールで物静かな印象があった」と初めの印象を語ったうえで、「ピストルが出てくる映画は何本も撮っているんですけど、現場でピストルを握ってあんなにはしゃいだ人を初めて見た」と明かし、会場は笑いに包まれた。さらに「僕もそれなんです」という奥平は「テストの時の銃でカチャカチャとやっていて、気が楽になったなと」と明かした。

一方で「そのままお返しします。監督もクールな方なのかなと思ったら実際は陽気な方ですし」という窪田は「銃のシーンは監督が一番ニヤニヤしてた。素人が拳銃を持つのはどういう感覚なんだろうと、まずは球とか入っているか確かめるかなと思って『下から抜いていいですか?』と言ったら、『いや、上から見えるんです』と。監督も楽しそうでしたよね?」と問いかけると、黒沢監督は「仕事ですから」と返し、笑いを誘った。

続けて、“今だから聞いてみたいことがある人”という質問には全員が荒川を指した。「赤堀(雅秋)さんとはなんであんなに仲いいんですか?お二人が楽しそうだったので」という菅田。さらに窪田は「吉岡さんが、赤堀さんと良々さんにずっとくっついてた」と質問すると、荒川は「福島に行った時に僕らがホテルの近所の焼肉屋に入ってお酒頼んで、吉岡さんが『偶然!』みたいな感じで入ってきたんです」と明かした。

さらに岡山からは「名前の由来は?」、奥平は「プライベートが想像できない。家で何をしているのかな」と質問を投げかけ、荒川に興味津々の様子だった。

また、菅田は本作について「公開したので、ここからどんどん広がってほしいと願っております」、黒沢監督は「見たことがないような映画だと思われた方もいらっしゃると思います。こういう映画もあるということを知っていただけたらうれしいです。みなさんの記憶の奥のほうに深く残ってくれたらいいなと思っています」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『Cloud クラウド』は全国で公開中
監督・脚本:黒沢清
出演:菅田将暉、古川琴音、奥平大兼、岡山天音、荒川良々、窪田正孝
赤堀雅秋、吉岡睦雄、三河悠冴、山田真歩、矢柴俊博、森下能幸、千葉哲也、松重豊
配給:東京テアトル、日活
©2024 「Cloud」 製作委員会