『傲慢と善良』の公開記念舞台挨拶が9月28日(土)にTOHOシネマズ日比谷で行われ、藤ヶ谷太輔、奈緒、萩原健太郎監督が登壇した。

2019年に単行本が発売されると、現代に生きる人々のリアルな恋愛観や価値観が描かれた本作は第7回ブクログ大賞を受賞し、20代、30代を中心に多くの共感を呼び話題が広がり、2023年最も売れた小説となった辻村深月『傲慢と善良』。主人公の架と真実はマッチングアプリで出会い婚約した直後、真実が突然失踪してしまう。彼女を探すうち<知りたくなかった過去と嘘>が明らかになる。すべてをさらけ出した2人がたどり着く“一生に一度の選択”を描くドラマティック恋愛ミステリー。

イベントでは、タイトルにちなんで“傲慢か善良か”を2人が回答。「傲慢と善良は一つの物事にどっちも混在するから、視点を変えて考えると傲慢だったり善良だったり考えられるのがおもしろい」と奈緒だが、マッチングアプリやSNSの写真を加工することについて藤ヶ谷は「むしろ逆のほうがよくない?実際会ったら」というと会場は笑いに包まれた。

そんな藤ヶ谷が演じる架は“周りにどう見えるか”を気にしているが、「よく見られたい、いい印象を持ってほしいというのは善良な心ですよね。嫌な気持ちにさせたくない」という奈緒。藤ヶ谷は「ちょっと寝癖くらいで。この人良いって言ってもらえたら本当に近い。加点式にしていかないとうまくいかないですよ」と語った。

“友達の恋人にアドバイスやコメントをする”には「傲慢でしょ」と即答する藤ヶ谷は「見れば見るほど、架の友人が出てくるとニヤニヤしちゃう」と語った。「傲慢と善良、どっちもあると思う」という奈緒は「アドバイスすること自体が傲慢だとは思わないですけど、相手に対してのリスペクトがあってのアドバイスだったらそれは善良なのかな」と答えた。

改めて鑑賞したことで、藤ヶ谷は「『架、そこそこ』と思うところは結構ありました。見れば見るほど気にある点というか。そこでもし何かが違っていたら、違う世界線になっていたんじゃないかなと。仁成のような瞬間が入っていると思いました」と本作の印象をと語った。

【写真・文/編集部】

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『傲慢と善良』は全国で公開中
監督:萩原健太郎
出演:藤ヶ谷太輔、奈緒
 倉悠貴、桜庭ななみ/阿南健治、宮崎美子
 西田尚美、前田美波里
配給:アスミック・エース
©2024「傲慢と善良」製作委員会