『アイミタガイ』の完成披露試写会が9月30日(月)に都内で行われ、黒木華、中村蒼、藤間爽子、近藤華、白鳥玉季、草野翔吾監督が登壇した。

中條ていによる小説「アイミタガイ」(幻冬舎文庫)を黒木華主演で映画化した本作。監督を務めるのは、『彼女が好きなものは』(2021)やドラマ「こっち向いてよ向井くん」(NTV/2023)などの草野翔吾。短編連作集「アイミタガイ」を原作に『台風家族』(2019)の市井昌秀が脚本の骨組みを作り、『ツレがうつになりまして。』(2011)の故・佐々部清の魂を注いだ企画を受け継いだ草野翔吾監督が一本の映画にした本作。かけがえのない存在だった親友を失い立ち止まってしまった主人公・梓を中心に思いがけない出会いが連鎖し、大きな輪になっていく群像劇となっている。

冒頭では「やっとみなさんにお届けすることができて、すごくうれしく思います」と感慨深げな様子を見せた主演の黒木。自身の役どころについて「みなさんに共感してもらえるような、すぐそばにいるよう役だと思ったので、演じていて梓の気持ちが分かりましたし、人と人とのつながりが感じられる役でした」とコメントした。

本作では主題歌も担当している黒木だが、そのきっかけについては「覚えてなくて。『歌います』と言った記憶がなくて気づいたら…」と明かし、中村は「カラオケは行くのかとか聞いたり、自然と誘導していったという噂を聞いたことがあります」と笑いを誘った。一方で、レコーディングに立ち会ったという草野監督は「本当にすてきでした」と称賛した。その歌唱については「曲自体も難しかった」という黒木だが「歌唱指導の先生に入っていただいて、最初は一音一音を意識してやりましょうとなっていたんですけど、『黒木さんは役者さんですし、梓の気持ちとリンクする歌詞を意識してやられたらら大丈夫です』と力づけてくださった」と振り返った。

イベントでは、本作のタイトル『アイミタガイ』にかけて“あいうえお作文”を披露。それぞれが別に書いたというが、白鳥「あなたに届けたい」、藤間「いつまでも」、黒木「みんなで」、中村「助け合い」、近藤「がんばった」、草野監督「いい映画」と見事、文章が成立し、会場を沸かせた。さらにイベントの終盤には、原作者の中條ていが登壇し、黒木に花束が贈られた。

また、黒木は「“アイミタガイ”という言葉が私はすごくいい言葉だと思っています。人から人につながっていく親切や優しさをなかなか感じられなかった時間を過ごし、今知らないところで人はつながっていて人は一人ではないと感じられる作品になっています」と本作をアピールし、「みなさんにそっと寄り添う映画になっていると思います」とメッセージを送った。。

【写真・文/編集部】

『アイミタガイ』は2024年11月1日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開
監督:草野翔吾
出演:黒木華
 中村蒼、藤間爽子
 安藤玉恵、近藤華、白鳥玉季、吉岡睦雄/松本利夫(EXILE)、升毅/西田尚美、田口トモロヲ
 風吹ジュン/草笛光子
配給:ショウゲート
© 2024「アイミタガイ」製作委員会