倉島颯良主演『DEAD OR ZOMBIE ゾンビが発生しようとも、ボクたちは自己評価を変えない』の続編制作が決定し、10月9日(水)0時からクラウドファンディングがスタート、併せて追加キャストが発表された。

『DEAD OR ZOMBIE ソンビが発生しようとも、ボクたちは自己評価を変えない』は、日中韓合作映画『湖底の空』(2019)でゆうばり国際ファンタスティック映画祭のグランプリを受賞した佐藤智也監督が、映画祭より支援金を受けて製作した短編映画。倉島颯良が主演し、ゾンビメイク第一人者の江川悦子が特殊メイクを手掛け、ホラーでもアクションでもない終末期の人間ドラマを完成。短編ながら全国各地のミニシアターで公開され、現在U-NEXT他でも配信中。

物語はゾンビが発生し、感染拡大を防ぐために隔離された地方都市で、ゾンビとなった家族を世話するためにそこに残った、倉島演じる早希がサバイバルを繰り広げる静かなゾンビ映画で、コロナウィルスによるパンデミックに呼応したような、家族の物語が話題となった。しかし実はコロナ禍前から長編映画として企画され、ゾンビ隔離地域に残ってしまう人々のそれぞれのドラマをオムニバス風に描こうと脚本が準備されており、今回、連作短編として配信用シリーズの制作が決定。全編の完成に向けて、クラウド・ファンディングが10月9日(水)にスタートする。

2019年に製作した日中韓合作映画『湖底の空』がゆうばり国際ファンタスティック映画祭2020でグランプリを受賞した佐藤智也監督が、次回作支援金を受けられることになり、文化庁のコロナ対策の助成金(AFF)と合わせ、短編映画『DEAD OR ZOMBIE ゾンビが発生しようとも、ボクたちは自己評価を変えない』(『DOZ』)を製作。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2022でプレミア公開後、東京・新宿K’s cinemaをはじめミニシアターで上映されたが、佐藤監督は当初オーストラリアの7分の短編『CARGO』を観て、ゾンビを用いる表現の可能性を感じ、ゾンビ隔離地域に残ってしまう人々のそれぞれのドラマをオムニバス風に描こうと考えていた。今回続編を数本の短編として製作、シリーズ物の形で配信を目指す。

今回、追加キャストが発表された。前作に続いて、倉島颯良が出演、また同じく佐藤監督の日中韓合作映画『湖底の空』に出演の阿部力も出演する他、紀那きりこ、宮澤寿、涼井菜生、長谷川千紗、みやべほの、和田光沙らの出演が発表された。また、 NHKドラマ「大地の子」などに出演した程波ほか、中国人キャストも参加。前回に引き続き特殊メイクを手がける江川悦子らスタッフ、映画評論家の塩田時敏からもコメントが届いている。

倉島颯良 コメント

佐藤監督がゾンビを通して描く表現に共感していると共に、「走らないゾンビ」にまた会えるかもしれないと思うと嬉しく思います。
お力添えをいただければ幸いです。

阿部力 コメント

佐藤監督とは「湖底の空」でご一緒させていただきました。佐藤さんの作品からは静かな、そしてとても強いエネルギーを感じさせられます。現場での佐藤監督ご本人からもそのような感覚を感じます。また作品に呼んでいただけて感謝です。今回も佐藤さんの現場を楽しみにしています。

紀那きりこ コメント

この作品に参加できることが決まってから、佐藤監督は、私の出演作を何本もご覧くださり、丁寧にご感想をくださいました。そのように向き合ってくださることにとても感謝すると同時に、身が引き締まる思いでおります。私の演じる天野聖佳は、仕事と家庭の狭間でもがいている、とても人間臭いひとだと思います。その生々しさを演じられ
るよう、撮影までにしっかり準備をして臨みたいと思います。

宮澤寿 コメント

エピソード1でゾンビとして出演させていただいておりますが、まさか人間だった頃を描かれる事になるとは夢にも思っておりませんでした!
ゾンビを只の記号ではなく、1人の人間の可能性として描く佐藤監督の作品に参加出来る事を楽しみにしております!

涼井菜生 コメント

誰もが生きづらさを感じる時代に、少しでも自分らしさや生きる目標を持ってほしいという願いを込めて演じさせていただきます。

長谷川千紗 コメント

前作を拝見し、今回のシナリオを読んで、佐藤監督が描く新しいゾンビの世界に参加してみたいと思いました。どうか、今までに観たことのないゾンビ映画を作り出すために、どうぞよろしくお願いいたします。

みやべほの コメント

「わたし」はどうなったら、わたしでは無くなるのか。意識や記憶が無くなっても、人格が大きく変わっても、それはわたしなのか。わたしを決めるのはわたしなのか、他者なのか。そんなことを考える一つのきっかけになりました。

程波 コメント

新しい映画のために皆と共に頑張りたいです!

江川悦子(特殊メイク/メイクアップディメンションズ)コメント

エピソード0はゾンビは登場しないですよ!
むしろ子供を持つ働く若い夫婦の育休問題や、宇宙との未知との遭遇!などを取り入れていて現代を反映しています。
ちょっと視点を変えてゾンビが登場する前に考えたいことがいっぱい!でも違った意味でわくわくします。

谷口尚久(音楽)コメント

佐藤監督の作品に、また参加することができて大変光栄です。あらすじを読みましたが、育休?人類の進化?
自殺志願?と頭がフリーズしています。つまり、とても楽しみです!

佐藤智也(監督)コメント

ゾンビとは何か? ゾンビが走るか走らないかは世代によって認識に差があると思いますが、自分にはやはりジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』(Dawn of the Dead,1978)の衝撃が大きかったです。死者が動き出して生者を襲う。それに対する生者側の様々な反応が『ゾンビ』には描かれていました。夫が生き返ったと喜び、抱きついて首を噛まれる女性。死んでいく同僚を見守り、ゾンビとして蘇った途端に撃ち殺すSWAT隊員。ハンティングのようにゾンビ狩りをする、ライフルを持った人々。ゾンビは生者の肉を求めて徘徊するだけの存在であり、その現象をどう解釈するかは生者の側に委ねられていました。「親しい人がゾンビになった時にあなたはどうしますか?」という問いが常に生者に投げかけられているのです。

塩田時敏(映画評論家)コメント

ゾンビはもはやホラーにあらず。時代劇や西部劇、あるいはロマンポルノのように、一定の描写があれば何でも描ける映画の無限の大地。

各話あらすじ

『DEAD OR ZOMBIE ゾンビが発生しようとも、ボクたちは自己評価を変えない』(エピソード1)

日本のある地方都市でゾンビ化現象が発生。不登校で自室に引き籠っていた女子高生の早希は、ゾンビとなった家族を世話するために隔離地域に残り、サバイバル生活を繰り広げる。
※完成済み/北海道国際映画祭で10月14日に上映

『DEAD OR ZOMBIE エピソード0 生命の起源(仮)』

日本の無人宇宙探査機が小惑星より採集した石や砂から古代のウイルスが発見され、地方都市にある国立宇宙研究所で解析が始まる。育児休業を終えた研究職員・聖佳は、生命の起源が明らかになるかもしれない研究に戻ろうとするが、交代して育休を取るはずの夫・優起夫の考えと擦れ違ってしまう。

『DEAD OR ZOMBIE エピソード2 宇宙の意思(仮)』

ゾンビに対する日本政府の対応が遅れ、隔離地域は在日米軍が制圧していた。さらに中国もゾンビを調査するために研究機関を送り込んでくる。生物学の教授・斉はゾンビが人類の進化に関わっているのではないかと考え、少年のゾンビを手懐けることに成功する。現世人類の暴力的で非効率な生態に疑問を抱いた斉は、ゾンビに人類の未来を見出す。

『DEAD OR ZOMBIE エピソード3 生きる意味(仮)』

かつて隔離地域でゾンビ化した家族と暮らしていた経験のある早希は、中国の研究機関が感染者の遺骸を集めていることをニュースで知る。家族がどうなったかを探ろうと早希は隔離地域に侵入するが、自殺志願の少女・愛生に同行を願い出られる。ゾンビに憧れる愛生に、かつての自分を見るような思いを抱いた早希は愛生を街中まで案内し、自分は中国部隊の施設を訪ねる。

『DEAD OR ZOMBIE ゾンビが発生しようとも、ボクたちは自己評価を変えない』
 公式サイト
©︎ARGO PICTURES/ MAREHITO PRODUCTION

※お詫びと訂正
記事初出時にみやべほの様と程波様のコメントに誤りがございました。訂正してお詫びいたします。