甲斐さやか監督最新作の日仏合作映画『徒花-ADABANA-』に各界の著名人からコメントが到着した。

本作は甲斐監督が20年以上をかけ構想し書き上げ、満を持して映画化されたオリジナル作品。タイトルの『徒花』とは、咲いても実を結ばずに散る花、「無駄な花」を意味する。国家により、ある“最新技術”を用いて【延命治療】が推進された、そう遠くない現代。一定の階級より上の人間たちが病に侵された時、全く同じ見た目の自分である“それ”が提供されたら?そして、病の身代わりになってくれたら?甲斐監督が現代に解き放つ命の問題作。主演は、プロットが出来上がる前から本作の出演を熱望していた井浦新。また、井浦新と同じく本作の世界に惚れ込んで参加を即決したのが、水原希子。さらに三浦透、斉藤由貴、永瀬正敏と実力派俳優陣が集結した。

田中圭(俳優)

見終わった後味がじんわりと侵食してくる感じ。嫌いじゃないです。
きっと誰もが一度は考えた事のある“それ“。
“それ“があれば助かるのに。と思っているのは、自分が優れているときっと勝手に決めつけていたからなんだろなと。
“それ“に自分を乗っ取られる怖さも感じ。
でもそんな世界が来るかもしれないと思う今の時代。
人は何故生きたいのか。生きているとはなんだろう。
自分より“それ“に生きて欲しいと願う寂しさとフェアさが面白かったです。
井浦さんと水原さんの生々しい葛藤のお芝居がとっても素敵でした。

菜 葉 菜(俳優)

アートの怪物、甲斐さやか監督の最新作『徒花』
それは絵画のように美しく、耐えきれぬほど重い。
その極限に愛おしくさえなる。

橋本淳(俳優)

人は矛盾の上で傷つきながら
生きていかなければならない
光の中で孤独を感じ
闇の中で暖かさを感じる
深淵で覗く境地
生きづらいと感じる世界に絶望している今
この切ない刹那な美しい映画に救われました

谷中敦(東京スカパラダイスオーケストラ)

街なかの川 水面に映る夕景の その映った景色こそが
心象の実景かも知れません
忙しない毎日のなかで 美しい景色に 深く静かに投影するのはきっと
置き去りにした 自分の記憶なのでしょう

ニコ・ソウルタナキス(「ザ・セル」「落下の王国」プロデューサー)

本当に美しい映画。
とてもユニークでありながら、こんなにも深遠で見事なストーリーはない。
大好きな作品だ!

町田康(作家)

生きている限りたどり着けない、心の奥底の景色が画面に描かれて在りました。
私という存在の意味を考えさせられました。
会話の長い間合いに自分が引き裂かれるようでした。

茂木健一郎(脳科学者)

人は人と出会い、人を「鏡」として自分を知る。
支え合うことの大切さと、すれ違うことの切なさ。
あなたの心をやさしく震わせる傑作です。

冲方丁(作家)

美しい自然を背景に、人だけが与えられた時を拒む。
延命に価値があると信じ、
もう一人の自分である「それ」を犠牲にする社会で、
人は何を失うのだろうか。
静謐かつ痛切な、命と人生を巡る物語に、
これから人が持つべき価値へのヒントが示されていると思いました。

『徒花-ADABANA-』は2024年10月18日(金)よりテアトル新宿、TOHOシネマズ シャンテほか全国で順次公開
脚本・監督:甲斐さやか
出演:井浦新、水原希子
 三浦透子、甲田益也子、板谷由夏、原日出子/斉藤由貴、永瀬正敏
配給:NAKACHIKA PICTURES
©2024「徒花-ADABANA-」製作委員会 / DISSIDENZ