10月28日に開幕する第37回東京国際映画祭の見どころを紹介。

日本で唯一の国際映画製作者連盟公認の映画祭で今年で37回目を迎える東京国際映画祭は、今年は10月28日(月)~11月6日(水)に、昨年に引き続き日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催される。

今年の注目ポイント

フェスティバルアンバサダーは女優の菊地凛子が務め、ポスター監修を世界的デザイナーのコシノジュンコが担当している。また、映画祭の顔となるコンペティション部門の審査委員長を香港の俳優のトニー・レオンが務め、女優の橋本愛、ハンガリーの映画監督・脚本家のエニェディ・イルディコー、フランスの女優キアラ・マストロヤンニ、香港の映画監督・プロデューサーのジョニー・トーが審査委員を務める。さらに新進気鋭のアーティストHibikiによる「Desire」がフェスティバルソングに起用された。また、東京都と連携し女性監督の作品や女性の活躍をテーマとする作品に焦点をあてたウィメンズ・エンパワーメント部門が新設されている。

5つのポイント

①誰でも参加できる!

東京国際映画祭のレッドカーペットや上映は入場券やチケットがあれば参加できる。クラウドファンディングの返礼品としてレッドカーペットの入場券が用意されている。また、上映作品は事前にオンラインチケットサイトで購入することができるほか、会期中には有楽町駅前のチケットセンターで購入することができる(オンラインチケットサイトで完売していない場合のみ)。ただし、人気の作品は一般発売後、すぐに売切れてしまうことが多いため、早めにチェックしておくのがおすすめ。チケットの一般販売は10月19日(土)からオンラインチケットサイトにて実施(先行抽選販売の対象作品は受付終了)。

②公開前の作品を観ることができる!

第37回東京国際映画祭では、賞を競うコンペティション部門やアジアの未来部門をはじめとした主要10部門があり、それぞれの部門でワールドプレミア(世界初上映)、アジアンプレミア(アジア初上映)、インターナショナルプレミア(制作国以外で初上映)、ジャパンプレミア(日本初上映)など日本公開前の作品が揃っている。今年のコンペティション部門は15作品が選ばれ、そのうち9作品がワールドプレミアとなっている。既に日本での公開が決まっている作品もあるが、映画祭を経て公開が決まる作品もあるため、誰よりも先に観ることができる。

また、今年のオープニング作品は東京国際映画祭での上映がワールドプレミアとなる白石和彌監督の『十一人の賊軍』。本作は北米やドイツ語圏でも配給が決まっており、まさに世界に打って出る新たなジャパニーズ・エンターテインメント大作となっている。そしてクロージング作品はジャパンプレミアとなるクリストフ・オノレ監督の『マルチェロ・ミオ』。今年のカンヌ国際映画祭のコンペ部門に選出された作品で、今年生誕100年を迎えるマルチェロ・マストロヤンニにオマージュを捧げた作品。

③映画人との交流ができる!

映画祭の初日に開催されるレッドカーペットをはじめ、会期中には様々なイベントが盛りだくさん。監督、キャスト陣へ直接質問することができるQ&Aやトークイベント、シンポジウムなど映画人との交流が実現!中でもアジアを含む世界各国・地域を代表する映画人と第一線で活躍する日本の映画人が語り合う交流ラウンジが今年も開催され、是枝裕和監督、エリック・クー監督、ジョニー・トー監督などの豪華トークイベントにも注目。

④特集イベントやリバイバル上映も!

今年公開された『あんのこと』が話題となった入江悠監督の特集や、設立30周年を迎えるサーチライト・ピクチャーズ作品の中から『リトル・ミス・サンシャイン』や『(500)日のサマー』を含む6作品の記念上映も実施される。そして一昨年、14年ぶりに復活し、世界の映画界に貢献した映画人、映画界の未来を託していきたい映画人に贈られる「黒澤明賞」を三宅唱監督とフー・ティエンユー監督が受賞し、映画祭では世界のクロサワが愛した名作5作品を上映。さらにコロンビア・ピクチャーズ100周年記念として映画『ヴェノム』ドルビーシネマ版が日本初上映される。新作だけでなく様々な名作がリバイバル上映されるので、好きな作品を大きなスクリーンで見る貴重なチャンスになるかも。

⑤世界や日本のアニメーション作品も豊富!

アニメーション部門では、国内の最新作と海外での話題作12作品が上映され、レトロスペクティブとして「宇宙戦艦ヤマト」放送開始50周年を記念した劇場版の4K上映も行われる。また、「「宇宙戦艦ヤマト」の歴史的意味」などのアニメーション関連のシンポジウムも3つ開催される。オーストラリア、ドミニカ共和国、韓国、ヨーロッパといった普段はなかなか観る機会がない世界各国のアニメーションを観ることができる。

ほかにも今年の6月に公開された「チェンソーマン」などの代表作を持ち、世界中から支持を集める作家の藤本タツキ渾身の青春物語、映画『ルックバック』の舞台挨拶には押山清高監督、河合優実、吉田美月喜の登壇が予定されている。また、今年の7月に公開された映画『化け猫あんずちゃん』のトークショーには久野遥子監督、山下敦弘監督が登壇予定となっている。

【文/片岡由布子】

第37回東京国際映画祭は2024年10月28日(月)~11月6日(水)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催