『まる』の先行上映イベントガ10月14日(月)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、堂本剛、森崎ウィン、おいでやす小田、荻上直子監督が登壇した。

堂本剛が、『金田一少年の事件簿 上海魚人伝説』(1997)以来、27年ぶりに映画主演を務める本作。堂本が演じるのは、美大卒だがアートで身を立てられず、人気現代美術家のアシスタントをしている男・沢田。独立する気配もなければ、そんな気力さえも失って、言われたことを淡々とこなすことに慣れてしまっている。ある日、通勤途中に事故に遭い、腕の怪我が原因で職を失う。部屋に帰ると床には蟻が1匹。その蟻に導かれるように描いた◯(まる)を発端に、日常が◯に浸食され始める奇想天外な物語。不思議な事態に巻き込まれていくキャラクターで、27年ぶりの主演にして新境地を魅せる。監督を務めるのは国内外で高い評価を得る荻上直子監督。

映画では初共演となる堂本と森崎だが、森崎について「このままの好青年。物静か」と印象を語る堂本。「一方的に見ていた側ですから、芝居の現場はどんな感覚なんだろうと興味はあった」という森崎は「緊張はしていたんですけど、剛さんと荻上監督が描く世界観が温かくて。大きな“◯”の中にいるみたいな感覚で」と語り、堂本については「正直芝居の現場だと怖いのかなとか一瞬思う、勝手な想像なんですけど。なんでもない会話もしてくださるし、本当に温かい方」と称賛した。

また、撮影時には「『ギター、何本持っているんですか?』という会話も」と明かす森崎。「もともと役者さんとお話しすることが多くない」という堂本は「役作りされていたらと、話しかけることは本当に少ない」と明かしつつ、森崎とは会話することもあったようで「話しやすかったです」と振り返った。

劇中では堂本、森崎、小田の3人での共演シーンもあるというが、「僕の演技はどうでした?」という小田に「ガッチガチに緊張していましたよね、噛むわ噛むわ」という荻上監督が「カメラが回っていない時もセリフをぶつぶつと」と明かすと、堂本は「緊張している感じが味になっていたと思います。リアリティが出てた。人との距離感をこれくらい保ちながらしゃべる人いるよなと」と称賛、森﨑も「小田さんの目線の動きが本当にリアル。見るタイミングがめちゃめちゃリアル」と共感していた。

本作ではコンビニ店員の役を演じる森崎だが、「最初にやったバイトがコンビニ」と経験があるという森﨑は「シーンでレジ打ちがあったんですけど得意で、任せてください!って」と自信を持って演じたことを明かした。

【写真・文/編集部】

『まる』は2024年10月18日(金)より公開
監督・脚本:荻上直子
出演:堂本剛
綾野剛/吉岡里帆、森崎ウィン、戸塚純貴、おいでやす小田、濱田マリ
柄本明/早乙女太一、片桐はいり、吉田鋼太郎/小林聡美
配給:アスミック・エース
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