『ふれる。』の公開御礼舞台挨拶が10月27日(日)にTOHOシネマズ新宿で行われ、前田拳太郎(井ノ原優太役)、石見舞菜香(浅川奈南役)が登壇した。
“心揺さぶる”青春三部作を手がけた監督:長井龍雪×脚本:岡田麿里×キャラクターデザイン:田中将賀の3人が贈るオリジナル長編アニメーション映画最新作『ふれる。』。同じ島で育った幼馴染、秋と諒と優太。20歳になった3人は東京・高田馬場で共同生活を始める。生活はバラバラだが、いつも心は繋がっていた。それは島から連れてきた不思議な生き物「ふれる」がテレパシーにも似た謎の力で趣味も性格も違う彼らを結び付けていたから。お互いに触れ合えば口にしなくてもそれぞれの言葉が流れ込んでくる、そんな“ふれる”で結びついた3人の友情は、このままいつまでも続くはずだった…。“ふれる”の隠されたもう一つの力を知るまでは―。キャストには、物語の主人公、言葉でのコミュニケーションが苦手な少年・小野田秋役に永瀬廉。秋が不思議な力を持つ生き物「ふれる」と出会うことで、心がつながった幼なじみ・祖父江諒役に坂東龍汰。同じく幼馴染・井ノ原優太役を前田拳太郎。
上映後の劇場に登壇した前田は「本日はお集まりいただきありがとうございます。短い時間ですが、みなさん一緒に楽しんでいきましょう!」と話し、石見は「本日はお越しくださりありがとうございます。公開からあっという間に時間が経ちましたが、みなさんと感想を共有できることを楽しみにしてきました。今日はよろしくお願いいたします」と挨拶した。
公開後、すでにたくさんのリピート鑑賞の声が届いている本作。周りやSNSでの反響について、前田は「エゴサは趣味なんですよ(笑)今回初めてアニメの声優をやらせていただいて、『そういえば前田拳太郎がやってたんだ!』という感想があって、作品をちゃんと見てくれて、自分の顔がちらつかなかったのが一番嬉しいなと思います。みなさん、感想を書いてくれてありがとうございます!」と語り、石見は「私もいろんなお友達が見に行ってくれたり。クリエイター陣のお三方と舞台挨拶に出させていただいた時に、祖母と祖父と母が一緒に見に来てくれました。終わった後にLINEをくれたんですけど、『本当に心が温まるすごく素敵な映画だった』と祖母が言ってくれて、すごく嬉しかったです。あと、『奈南ちゃんにちょっと似ている』とも言われて(笑)なんとなく雰囲気とか顔が似ていたらしくて、恐れ多いですけど、面白い感想だなと思いました(笑)」と話し、それぞれの元にしっかり反響が届いている喜びを表した。
続いて、本作の内容に踏み込み、今だからこそ語れる本作の魅力に迫るトークを実施。本作の公開を記念して復活した「あの花ラジオ」の収録と京都国際マンガ・アニメフェア2024イベント登壇に続き、今回の舞台挨拶が3回目の共演となる2人だが、大のアニメファンであり、大の人見知りだという前田。緊張具合を聞かれた前田は「全然緊張も人見知りもしてなくて、さっきもそこ(舞台袖)で喋っていました!」と強気満々。しかし、石見に「そこでやっと喋りました(笑)」と明かされ、この日も緊張を隠せない前田の様子に劇場の観客も微笑みを浮かぶ。また、「直前まではそこまで緊張しなかったんですけど、ここに入った時に(会場の前田さんへの手作りうちわを見て)愛が溢れすぎていて、すごいドキドキして新鮮ですね」と驚いた姿をみせる石見。
本作で声優初挑戦だった前田の演技について「アニメがお好きだからか、アニメーションとしてのお芝居がすごくお上手。イベントなどでお会いしても優太くんという感じがしなくて、やっぱり顔を見てお話するのと、キャラクターの声を聞くのとでは全然違うんだなと思いました。収録は別々で、どんな方がやられているか知らずに撮ったんですけど、メインキャスト3人のお名前と(収録が)どんな風だったかを聞く機会があって。お三方ともすごくアニメが好きで、声優という職業にリスペクトを持って、何度も何度も挑戦してやってくださっていたと聞きました。声優としてすごく嬉しかったですし、いろんなお仕事がありながらも今回の声優にすごく集中して頑張られて、一緒に作品を作り上げられたんだなと感じて本当に嬉しかったです」と話し、前田は「めちゃくちゃ嬉しいですね。なんか汗かいてきそうです(笑)」と憧れの石見からの言葉に嬉しさを爆発させた。
次に、本作の中で一番印象に残っているまたは感情移入したシーンについての話題へ。本作が「声優になる夢が叶った作品」と話す前田は、優太と奈南が「ふれる」の服を作るために裁縫をするシーン挙げ、「あそこからみんなの関係が変化していく場面なので、すごく大事に演じないとなと思ってやりました」と振り返った。MCから、長井監督が前田のキャラクターと全く違うキャラクターを声優初挑戦で演じたことを大絶賛していたことが明かされると、前田は「お芝居をする時は自分の見た目でお芝居するけど、今回は優太という自分とは見た目の違うキャラクターを演じて、普段自分がやらないようなリアクションもあったので、友達から『すごいよかったんだけど、拳太郎のでかい体からこんな可愛い声が出てくるんだ。』と言われて(笑)でも、作品はちゃんと優太だったと言ってくれたので、演じ分けられたんだなと嬉しかったです」と、声優という仕事ならではの難しさと手ごたえを話した。
「『あの花』がきっかけでこの世界に飛び込んだ」という石見は、最後に「ふれる」が涙を流すシーンを選び、「『ふれる』はあまり感情が表情に出てくるキャラクターではないと思うんですけど、秋くんの必死な訴えが心に届いて涙が出てくるっていうのが、『ふれる』に一気に感情移入して毎回見るたびに泣いてしまいます。」と話し、本作への強い思い入れを明かした。
劇中で優太が奈南に片思いする、という関係性は、本作がもつ1つのテーマ<コミュニケーションの難しさ>にも繋がっている。そんな2人のキャラクターについて聞かれると、前田は「最初は、自分の演じるキャラクターなので、過保護になってしまって優太を全肯定していたんですけど、公開されて実際に作品を見てみると『なんでそんな言い方をしちゃったの?』と違った目線で見られて、すこし印象が変わりました」と話す。石見は「日々生きていてもちょっと気まずい瞬間ってあるじゃないですか。奈南ちゃんを演じて優太くんを見ていると、そういうところが多かったです。優太くんがすごく優しいキャラクターなのは分かりつつも、突っ走って言っているなと感じて。でもこういうことあるよなと、リアルな場面が2人を通じて描かれていて面白かったです」と語った。
さらに、石見は「岡田さんの脚本の全部綺麗すぎない部分があるから(それぞれのキャラクターが)人間らしく、感情維持もしやすいのかなって思います。岡田さんの脚本は呼吸の位置がすごくリアルで、自然とお芝居もリアルになっていくんじゃないかなと思います」と述べ、それを聞いた前田も「確かに普段は『こういうテンポでしゃべらないと』とか色々考えるんですけど、今回は割とそのまま受け取りました。今思えば、すごく喋りやすかったのは岡田さんの脚本のおかげなのかな思いました」と岡田の脚本だからこそ、生まれたキャラクターの魅力を述べた。
2人の関係性にちなみ「最近これは自分の一方通行だったな…」といエピソードへ。前田は「家にアニメのフィギュア、等身大ポスターとかたくさん貼っているんですけど、僕はすごく愛を持って『ただいま』って言うんですけど、『おかえり』が帰ってこないんですよ。一方通行の愛なんだなって感じます」と、まさかのアニメオタクぶりを発揮すると、石見は「ちょっと見方変わった…(笑)」と言い、会場も大爆笑。石見は「前田さんと1回目にお会いしたラジオ収録の時はすごく緊張されていて、思っていたよりも親しみやすさを出してくださって。2回目は前よりしゃべれるんじゃないかなと思って自分から話に行ったら、前田さんは『誰だろう…』みたいな感じで(笑)馴れ馴れしく行き過ぎたかもしれないと思いました」と前田とのエピソードを話すと、前田は「2回目が一番難しいんですよね…」と人見知りの悩みを告白しながらも、この日が3回目となり仲の良い掛け合いを見せた。
最後に前田は「大好きなアニメーションに携わることができて、舞台挨拶も何回もやらせていただいて、本当にずっとやっていたいなと思っています。また携われるようにこれから頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いします。本日はありがとうございました」と話し、石見は「公開からしばらく経って、徐々に周りのお友達や家族から感想をもらう日々で、私にとってもすごく大切な作品がいろんな形で世に届いていっているのを実感して、幸せな日々を過ごしております。今回前田さんや芸能人のみなさんが参加することによって、普段はアニメを見る機会がない人にも幅広く届いているのが本当に嬉しいです。 これからまだ公開は続いていきますので、何度も劇場に足を運んでいただいて、優太くんや奈南ちゃんや『ふれる』に会いに来てくれたら嬉しいなと思います」とコメントし、本作への想いが詰まったメッセージで舞台挨拶は幕を閉じた。
【提供写真、オフィシャルレポート】
『ふれる。』は全国で公開中
監督:長井龍雪
声の出演:永瀬廉、坂東龍汰、前田拳太郎
白石晴香、石見舞菜香
皆川猿時、津田健次郎
配給:東宝、アニプレックス
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