第37回東京国際映画祭のアニメーション部門『ルックバック』舞台挨拶が11月2日(土)に角川シネマ有楽町で行われ、押山清高監督、河合優実(藤野役)、吉田美月喜(京本役)が登壇した。

10月28日(月)~11月6日(水)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催される第37回東京国際映画祭。学年新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野。クラスメートからは絶賛を受けていたが、ある日、不登校の同級生・京本の4コマを載せたいと先生から告げられる…。ふたりの少女をつないだのは、漫画へのひたむきな思い。しかしある日、すべてを打ち砕く出来事が…。胸を突き刺す、圧巻の青春物語が始まる。

興行収入20億円を突破する大ヒットを記録した本作で声優初挑戦となった河合と吉田。「普段の映画とは違う反響のかえってき方」があったという河合は「アメリカにいる知り合いから現地で見たと連絡があって」と世界に広がっていることを実感した様子で、吉田も「SNSに海外の方からコメントをいただいたり」と話し、さらに中国での公開時には「父が中国にたまたまいて見に行ってくれたと聞いてうれしいと思いました。海外の方にも口コミで広がっているのかなと思ったり」と同じく実感している様子だった。

声については、描いているときは「鮮明に声が頭の中で流れているというほどはイメージしていない」という押山監督は、オーディションで「実際にお二人の声を聞いてみて、河合さんのこの感じピッタリ合いそうだなとイメージとすり合わせて」とキャスティングしたという。また、「お二人とも僕の想像以上の声というのがオーディションで感じられて、河合さんは(オーディションの)テープの最初の一言で『すごくいいな』と」と感じたといい、「声質も含めて演技も、藤野の存在感に満ちていていいなと思いました」と振り返った。吉田については「テープオーディションで自信がなさそうにしゃべっていて。声から聞いて感じだと不器用そうに感じて、京本の引きこもっている自信がないキャラクターにピッタリたと思って選びました」と明かした。

アフレコについて、河合は「一緒にブースに入れていただいて2人で交代交代に声をあてていたんですけど、私たちが座っている前にマイクがあるので私は美月喜ちゃんの顔は見えないんですけど、声を出しているときの後ろ姿から伝わってくる気迫いうか、一生懸命頑張っている美月喜ちゃんの後ろ姿に勇気をもらっていた」と明かした。

それを受けて「多分、私自身京本に共通する部分がいい感じに出ていたのかなと思う」と話す吉田は「きっと優実ちゃんも初めてだから分からないことがたくさんあったと思うけど、すごく引き出しが多いと思って」といい、「指示されたことに対して声として出す対応力がすごい。その感じが藤野の、ちょっと余裕というか、キャラクターの器用そうに見えるところもあるところに運命を感じながら私も一生懸命やっていました」と印象を語った。

さらに本作の大ヒットを記念して河合から押山監督に花束が贈られた。河合は「大ヒットおめでとうございます。声優として参加させていただくことになった時に初めていただいたバージョンのアニメから、今までずっと素晴らしい絵とアニメーションだと感動しました。大きなモチベーションになりましたし、参加できてよかったと思います」と感謝を伝え、吉田は「さっき言っていただいた、自信がないオーディションの感じというのは、今まで声優さんのお仕事が決まったことがなくて。全力で頑張ってやっているんですけど、私は声に魅力がないのかもしれないと思っていた部分を、この作品が決まったことによって、そんなことはないよと肯定してくれた気がして、この作品と出会えて、みんなと出会えてうれしかったです。大ヒットおめでとうございます」と改めて本作に参加したことへの喜びと感謝を伝えた。

【写真・文/編集部】

第37回東京国際映画祭は2024年10月28日(月)~11月6日(水)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催