時代の進化が著しい“今”描かれるべき革新的なヒューマンミステリー『本心』で、感情ゼロで朔也(池松壮亮)を追い詰めるAIの声を窪田正孝が担当していることが発表された。
日本映画界屈指の鬼才・石井裕也監督の最新作『本心』。原作は、映画化も話題となった「ある男」の平野啓一郎による傑作長編小説「本心」。キャストには、近年ますます活動領域を拡張している俳優・池松壮亮を主演に迎え、三吉彩花、水上恒司、仲野太賀、田中泯、綾野剛、妻夫木聡、田中裕子ら、日本の映画界を牽引する豪華実力派俳優陣が集結。これまで映画・ドラマを合わせ8作品の石井監督作品に出演している池松が、原作を読み「今描かれるべき作品」として全幅の信頼を寄せる石井監督に企画を持ち込んだ、9作目のタッグ作となっている。舞台は、今からさらにデジタル化が進んだ少し先の将来。亡くなった母親の“本心”を知ろうとしたことから、進化する時代を彷徨う青年を映し出す、革新的なヒューマンミステリー。
窪田正孝が演じるのは、本作の大きなテーマの一つとして描かれている“AI”の声。池松演じる主人公の朔也が就く、遠隔で操作する依頼者に体を丸ごと貸し出し、指示通りに動く仕事“リアル・アバター”。自身のカメラ付きゴーグルと依頼者のヘッドセットを繋ぎ擬似体験を届けることで、依頼主はアバターの行動を自身のことのように体験できる。そのリアル・アバターたちを管理しているのが、人間ではなく“AI”なのだ。劇中で窪田演じるAIは、依頼主からの心無いひとことや評価を、“悪気なく”感情ゼロ、明るい一定のトーンで朔也に突きつけ、一方的に追い詰めていく。
先日行われた舞台挨拶のQ&Aで、観客から窪田の出演について問われた池松は「撮影時はスタッフの声を相手に演じていましたが、映画が完成したらまさかの窪田さんの声で…」と池松自身も驚いたことを明かしていた。『本心』の原作者・平野啓一郎が書いた「ある男」の映画に出演し、石井裕也監督がメガホンをとった『愛にイナズマ』では主演を務めた縁で、今回の窪田のサプライズ出演が決まったという。
「何気ないセリフに、帰ってから号泣してしまった」「自分の本心は何なのか?ということも合わせてずっと考えている」「近い将来をリアルに見ている感覚になった。」「感情をエグられた」など、鑑賞後も余韻を残し、そこまで来ている近い将来を舞台に人間の“本心”に切り込むストーリーに、自分を重ね合わせる人が続出する本作。池松演じる朔也が、自身の“本心”を見失っていくきっかけにもなってしまう大事なシーンでの、贅沢でイキな配役もぜひ、スクリーンで確かめてほしい。
『本心』は全国で公開中
監督・脚本:石井裕也
出演:池松壮亮
三吉彩花、水上恒司、仲野太賀/田中泯、綾野剛/妻夫木聡
田中裕子
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2024 映画『本心』製作委員会