カンヌ・ヴェネチア・ベルリン3大映画祭を制し、カンヌ国際映画祭コンペティション部門に8作品連続選出されているナンニ・モレッティ監督最新作『チネチッタで会いましょう』が、11月22日(金)より公開される。今回、この秋公開の新作映画から芸術の秋に観たい映画好き必見の新作映画3選を紹介。

数々の期待作が公開される秋だが、そんな中から今回は『チネチッタで会いましょう』、『キノ・ライカ小さな町の映画館』、『ゴンドラ』の3作品を紹介。ナンニ・モレッティ監督最新作『チネチッタで会いましょう』は、時代の変化についていけず、真ん中にいると思っていたらはみ出してしまっていた映画監督が、失意の後に大切なことに気づくというヒューマンドラマ。フェリーニやキェシロフスキ、スコセッシなど映画へのオマージュを交えながらところどころに自身の過去作品を引用して、変化の激しい世界に適応することの難しさをユーモラスに描きだす。『キノ・ライカ小さな町の映画館』は、豊かな自然の中で芸術を愛して暮らす人々の、映画とカルッキラという町への想いをめぐる物語。アキ・カウリスマキをフィーチャーした初めてのドキュメンタリー映画。『ゴンドラ』は『ツバルTUVALU』などで知られるセリフなし映画の名匠ファイト・ヘルマーの作品。ゴンドラの乗務員として働く女性2人が中心となり、物語を動かしていく。第36回東京国際映画祭コンペティション部門にも出品された。

『チネチッタで会いましょう』
11月22日(金)公開

5年に1度新作を撮り続けてきた映画監督ジョヴァンニ。傍にはプロデューサーでもある妻がいつもいてくれた。頭の中は新作のアイディアでいっぱいだ。完璧に見えた彼の人生。ところが自分は世間からも家族の気持ちからもズレていたことに、容赦なく気付かされる出来事に見舞われる。妻には突然別れを切り出され、フランス人のプロデューサーは詐欺師とわかり映画製作は中断される。しまいには妻のプロデュースする映画に難癖をつけ撮影を一晩とめてしまう。Netflixを頼ってはみたものの脚本にダメ出しされる。窮地に陥った彼が失意の中で見つけた大切なものとは?

『キノ・ライカ 小さな町の映画館』
12月14日(土)公開

北欧フィンランドの鉄鋼の町・カルッキラ。深い森と湖と、今は使われなくなった鋳物工場しかなかった小さなその町に、はじめての映画館「キノ・ライカ」がまもなく誕生する。自らの手で椅子を取りつけ、スクリーンを張るのは映画監督のアキ・カウリスマキと仲間たち。キャデラックにバイク、ビールと音楽。まるでカウリスマキの映画から抜けでたような町で、住人たちは映画館への期待に胸をふくらませ、口々に映画について話しだす…。

© 43eParallele

『ゴンドラ』
11月1日(金)公開

イヴァはゴンドラ(ロープウェイ)の乗務員として働き始める。もう1台のゴンドラの乗務員はニノ。駅長は威張り屋のおじさんで、その態度ときたら腹が立つことばかり。だけど2人は負けてはいない。すれ違うゴンドラで2人が交わし合う奇想天外なやりとりの楽しさ。やがてそれは地上の住民も巻き込んでいく…。2つのゴンドラは行ったり来たり、世界のどこかに行けるわけではないけれど。想像力があればどこへでも行ける!ゴンドラは自由と幸福を乗せていく―。

©VEIT HELMER-FILMPRODUKTION,BERLIN AND NATURA FILM,TBILISI

『チネチッタで会いましょう』は2024年11月22日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国で公開
監督:ナンニ・モレッティ
出演:ナンニ・モレッティ、マルゲリータ・ブイ、シルヴィオ・オルランド、バルボラ・ボブローヴァ、マチュー・アマルリック
配給:チャイルド・フィルム
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