『雪の花 ―ともに在りて―』の親子特別試写イベントが1月7日(火)に都内の小学校で行われ、東京・誠之小学校で行われ、松坂桃李(笠原良策役)、芳根京子(千穂役)が登壇した。
黒澤明監督に師事し、監督デビュー作『雨あがる』(2000)以来、一貫して人間の美しい在り方を描いてきた小泉堯史監督が、吉村昭の原作「雪の花」(新潮文庫刊)を映画化。江戸時代末期。死に至る病・疱瘡(天然痘)が大流行して多くの人命が奪われていく中、福井藩の町医者・笠原良策は、どうにかして人々を救う方法を見つけようとする。妻・千穂に支えられながら、京都の蘭方医・日野鼎哉に教えを請いに出向いた良策は、異国では疫病の予防法として「種痘」が伝わっていることを知る。予防法成功の鍵となる「種痘の苗」を長崎から入手すべく、様々な困難にぶつかりながらも絶対に諦めない良策の志は、やがて藩を、そして国をも巻き込んでいく。知られざる無名の町医者は、どのようにして日本を救ったのか?笠原良策役には松坂桃李、良策の妻・千穂役に芳根京子、そして良策を導く蘭方医・日野鼎哉役に役所広司。
本イベントで作品を鑑賞したのは小学5・6年生の生徒たち。たくさんの歓声のなか、松坂と芳根は舞台に招かれた。 松坂は「お話、わかりましたか?」と問いかけると「皆さんと同じ5、6年生の時って時代劇を観る機会がなかったんです」と話し、「時代劇を通らずに来てしまいましたが、今回このように皆さんに届けることができて本当にうれしいですね」と安堵の様子を見せた。芳根も「この作品で時代劇デビューした子たちもいるのかと思うとすごくうれしいです」と笑顔を見せた。
本作品を観た子たちにどのように受け取ってほしいかという問いに、松坂は「観た感想のまま素直に受け取ってほしい」と話し、「おもしろかったでもいいし、ちょっとよくわからなかったでもいい。どんどん時を経て最終的には作品の内容が少しずつわかってくる形でもいいのかなと思っています」とコメントした。
小学生からの質問に答えるという一幕で、「この時代の人を演じるにあたって大変だったことは?」と問われると、松坂は「(作品を)ご覧いただいた通り、本当にすごく寒くて。当時の人たちは本当に強かったんだなと実感しました」と話し、監督もこだわって撮った部分でもあると打ち明けた。
続けて、「立派な人になるにはどんなことを心がければいいか」という質問に対し、松坂は「僕が勝手に思っていることだけど」と前置きし「立派になろうと思っても立派にはなれない。周りの人がその人のことを立派だなと思うから、その人が立派になる。好きなことやなりたいものに一生懸命になれば、立派になれると思う」とエールを送った。芳根は「優しさを忘れずに、周りの人に対してありがとうという気持ちを忘れずにのびのびと成長していってください」とコメントした。
なぜこの仕事を選んだのかという質問に対して、芳根は「私は学生時代やりたいことなかったんです」と打ち明け「どうしようと思っていたときに、今の事務所の人に声をかけてもらって、この世界に飛び込みました」と話す。続けて「きっかけはいろんなところに転がっている。もし今、やりたいことがなかったとしても、きっといつかご縁や運命で出会える日が来ると思っています。」とメッセージを送った。
【写真・文/蔭山勝也】
『雪の花 ―ともに在りて―』は2025年1月24日(金)より公開
監督:小泉堯史
出演:松坂桃李、芳根京子
三浦貴大、宇野祥平、沖原一生、坂東龍汰、三木理紗子、新井美羽
串田和美、矢島健一、渡辺哲/益岡徹、山本學、吉岡秀隆/役所広司
配給:松竹
©2025映画「雪の花」製作委員会