ひとりの女とふたりの男―出口のない三角関係と壮絶な青春を描く映画『ゆきてかへらぬ』の場面写真が解禁された。

本作は大正時代を舞台に、実在した男女3人の壮絶な愛と青春を描いた作品。まだ芽の出ない女優、長谷川泰子は、のちに不世出の天才詩人と呼ばれることになる青年、中原中也と出逢う。どこか虚勢を張り合うふたりは、互いに惹かれ、一緒に暮らしはじめる。その後東京に引っ越したふたりの元を、中也の友人で、のちに日本を代表することになる文芸評論家、小林秀雄が訪ねてくる。偶然ともいえるその出逢いが、やがて3人の運命を狂わせていく――。長谷川泰子役を広瀬すずが演じる。『探偵物語』や『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』の根岸吉太郎監督が16年ぶりにメガホンをとり、『ツィゴイネルワイゼン』や『セーラー服と機関銃』の田中陽造が脚本を手掛けた。

今回解禁された場面写真では、本作の舞台となる大正~昭和初期を背景に、さまざまな衣装を華麗に着こなす広瀬すずの姿が披露された。特に「文化の百花繚乱」と称される大正時代を象徴するような衣装は、優雅な和装からクラシカルで洗練された洋装まで、時代を超えた美しさを惜しみなく放っている。

広瀬が本作で演じるのは、実在した女優・長谷川泰子。才能あふれるアーティストふたりに愛されながらも、自身の夢と向き合い続ける、まっさらで潔い女性を全力で体現した。まだ学生だった不世出の天才詩人・中也と出逢った京都、そしてのちに唯一無二の人間関係を織りなすことになる文芸評論家・小林と出逢った東京。時代、場所、そして複雑な関係性の変遷とともに移り変わる、繊細なキャラクターの精神に寄り添ったスタイリングは、泰子の無邪気さと妖艶さを最大限に引き出し、広瀬は本作でまさに“七変化”ともいえる役の振り幅で新境地をみせた。

スタイリングを担ったのは、日本映画界を代表するトップ衣装デザイナーの大塚満とスタイリストの伊賀大介という超豪華な布陣!「大正時代の着物が大好き」と話す大塚は、「現代の着物において避けられる傾向にあるが、大柄の着物は大正時代の象徴です。広瀬さんにはとても似合っていて、大きな柄に負けないバランスの良さを感じます。どれも鮮やかに着こなしてくれました」と広瀬を絶賛。

さらに、「大正時代が世界的にも一番かっこよかった時代」と評する伊賀も、「本作ではヒロインの多面体の美しさを絵巻もののように見せられたら、と考えました。そのキャラクターが何を着てこの世界にやってきて、何を着て出ていくのか。いつもそこを大切にしています」と熱のこもった細部までのこだわりを語っている。

序盤のセーラーカラーの衣装で見せるどこか少女らしいあどけなさから、哀しみと覚悟が色づく終盤のブラックドレスまで。2人の衣装担当による共同作業によって生まれた美しい衣装の数々と、長谷川泰子を全力で生きる広瀬すずの圧倒的表現力が見事に融合した本作。スクリーンいっぱいに広がる、鮮やかに彩られた広瀬すずの新境地をぜひ劇場で目撃していただきたい。

『ゆきてかへらぬ』は2025年2月21日(金)より全国で公開
監督:根岸吉太郎
出演:広瀬すず、木戸大聖、岡田将生、田中俊介、トータス松本、瀧内公美、草刈民代、カトウシンスケ、藤間爽子、柄本佑
配給:キノフィルムズ
©2025 映画「ゆきてかへらぬ」製作委員会