ひとりの女とふたりの男―出口のない三角関係と壮絶な青春を描く映画『ゆきてかへらぬ』の本編映像が解禁された。
本作は大正時代を舞台に、実在した男女3人の壮絶な愛と青春を描いた作品。まだ芽の出ない女優、長谷川泰子は、のちに不世出の天才詩人と呼ばれることになる青年、中原中也と出逢う。どこか虚勢を張り合うふたりは、互いに惹かれ、一緒に暮らしはじめる。その後東京に引っ越したふたりの元を、中也の友人で、のちに日本を代表することになる文芸評論家、小林秀雄が訪ねてくる。偶然ともいえるその出逢いが、やがて3人の運命を狂わせていく――。長谷川泰子役を広瀬すずが演じる。『探偵物語』や『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』の根岸吉太郎監督が16年ぶりにメガホンをとり、『ツィゴイネルワイゼン』や『セーラー服と機関銃』の田中陽造が脚本を手掛けた。
Netflixドラマ「First Love 初恋」でその名を世間に知らしめて以降、様々な映画、ドラマに出演し今最も新作が期待される俳優・木戸大聖。そんな木戸が本作で演じたのは、日本を代表する詩人にして生涯350篇以上の詩を残しながら、僅か30歳で夭折した天才詩人・中原中也。木戸は、これまでの等身大で初々しさ感じる役柄を演じることが多かったが、不遇な作家人生を歩み、破天荒な逸話が今でも語り継がれる中也を演じるにあたり「今まで演じてきた役とは全然かけ離れていて、自分の枠を超えてトライしなきゃいけない役でした」と明かしており、中原中也という役で新境地を拓いている。
さらに、本作で描かれる運命の女性・長谷川泰子(広瀬すず)と繰り広げる歪な恋愛関係について「中也が泰子に向ける愛のベクトルや彼らの愛し合い方って今の人が見ればちょっと歪だったりするかもしれませんが、根源にあるのは真っ直ぐな愛。それは今まで自分が経験してきた役と通じるところがあり、その真っ直ぐさと今までにない狂った自分、どちらもうまくミックスして新しい中也像を創りたいと思いました。」とコメント。これまでのイメージを覆す、狂気を纏った木戸の変貌と時代を駆け抜けたアーティストたちの愛の行き着く”そこ”を見届けてほしい。
併せて解禁された本編映像では、運命の女性・泰子と中也が過ごしたかけがえのない瞬間が切り取られている。京都で運命的な出会いを果たし共に暮らし始めた、20歳の駆け出し女優・泰子と、まだ学生だった17歳の中也。端役でも主役さながらの存在感と態度のせいで現場では邪険に扱われ一向に芽が出ない泰子。肩を落として歩いていると、泰子の気持ちを知ってか知らずかローラースケートを履き颯爽と現れた中也は、彼女の手をとり一緒に滑り始める。突拍子のない行動に振り回されつつも、中也の無邪気で自由な姿に、いつの間にか笑顔を取り戻す泰子。世の中に対して強気な態度と姿勢で、戦いを挑むように立ち向かっている2人が、心を許し合える唯一無二の関係であったことが垣間見える。
さらに、“狂気”を秘めていた中也の中に共存する“無邪気さ”に思わず胸がときめく本編映像となっている。やがて想い出の詰まった京都を去り、夢を追いかけ東京へ引っ越す2人。そこで出会った小林秀雄(岡田将生)との出会いが、3人の運命を狂わせていく――。狂気と無邪気さが同居した天才詩人・中原中也を全身全霊で体現した木戸。まさに新境地!誰も観たことのない木戸大聖の姿に期待は高まる。
本編映像
『ゆきてかへらぬ』は2025年2月21日(金)より全国で公開
監督:根岸吉太郎
出演:広瀬すず、木戸大聖、岡田将生、田中俊介、トータス松本、瀧内公美、草刈民代、カトウシンスケ、藤間爽子、柄本佑
配給:キノフィルムズ
©2025 映画「ゆきてかへらぬ」製作委員会