第97回アカデミー賞®長編アニメーション映画賞ノミネートの珠玉のストップモーション・アニメーション映画『Memoir of a Snail(原題)』が『かたつむりのメモワール』の邦題で6月27日(金)に公開されることが決定した。

幼い頃から周囲に馴染めず、孤独を抱えて生きてきた女性グレース。カタツムリを集めることが心の拠り所だった彼女が、個性豊かな人々との出会いと絆を通して少しずつ生きる希望を見出していく、波乱万丈な半生をユーモアとサプライズ満載で優しく描いた感動のクレイアニメーション。

監督は、『ハーヴィー・クランペット』でアカデミー賞®短編アニメーション映画賞を受賞、初長編作品の前作『メアリー&マックス』でアヌシー国際アニメーション映画祭クリスタル賞ほか数々の映画賞を受賞し、いま世界中で最も称賛を集めるアニメーション作家のひとりとなったアダム・エリオット。フルCGが主流となったアニメーション界で、一貫してCGやAIに頼らず昔ながらの手作業にこだわり、ひとコマずつ丁寧に作り上げる圧巻のクオリティで幅広い観客を魅了している。本当に生きているかのように表情豊かなキャラクターたちが持つデコボコの質感は、人間の不完全さこそを愛する彼の美学を繊細に体現。ハンドメイドのぬくもりと味わいをまとった、どこか不格好でクセのあるキャラクターたちが生き生きと動き回る姿は、愛おしく思わずにはいられない。

時にブラックユーモアも織り交ぜながら、誰もが共感できる人生の喜びと悲しみ、ほろ苦さにそっと寄り添う温かな視点は、批評家・観客双方から賞賛を集めている。ロンドン映画祭では実写映画も含むすべての作品のなかで最優秀作品賞に輝き、全米批評サイトRotten Tomatoesでは95%フレッシュの圧倒的な高評価を獲得している(1月21日時点)。

昨年10月に開催された第37回東京国際映画祭で『メモワール・オブ・ア・スネイル(原題)』として出品された本作は、エリオット監督の15年ぶりの待望の最新作ともあり大きな話題を集め、チケットは即完売。満席の大盛況となり、SNS上で「アヌシー最高賞も納得の傑作」「すべてが愛しい」「クレイアニメのチャーミングさに泣き笑う」と感動と愛に満ちた絶賛の口コミが多数投稿され、いち早く本作を鑑賞した日本の映画ファンたちに大好評で迎えられた。そして、1月23日[日本時間]に発表されたアカデミー賞のノミネーションでは見事、長編アニメーション映画賞にノミネートを果たしている。

ストーリー

1970年代のオーストラリア。グレースは双子の弟ギルバートと父親の3人で慎ましくも幸せに暮らしていた。母親は出産と同時に亡くなり、病気がちで学校ではいじめっ子の標的にされるグレースだったが、いつも守ってくれる頼もしいギルバートと、愛情深くひょうきんな父が側にいてくれた。しかし突然、父が睡眠時無呼吸症候群で亡くなり、グレースとギルバートは別々の里親の元で暮らすことに。離れ離れになった2人は手紙で励まし合い「いつか必ずまた会おう」と約束するが、グレースは寂しさのあまりカタツムリを集めることだけが心の拠り所となった孤独な日々を送るようになる。そんなある時、ピンキーという陽気で変なことばかり言うお婆さんと出会い、2人はいつしかかけがえのない友だちになっていく…。

『かたつむりのメモワール』は2025年6月27日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿 ほか全国で順次公開
監督・脚本:アダム・エリオット
声の出演:サラ・スヌーク、ジャッキー・ウィーバー、コディ・スミット=マクフィー、ドミニク・ピノン、エリック・バナ、ニック・ケイヴ
配給:トランスフォーマー
©Arenamedia Pty Ltd.