第97回アカデミー賞6部門ノミネート『ANORA アノーラ』の特別映像が解禁された。
本作『ANORA アノーラ』は、ニューヨークを舞台に身分違いの恋という古典的な題材を21世紀風にリアルに映し出した、アンチ・シンデレラストーリー。幾度となくアメリカ社会の「声なき声」をすくいあげ評価されてきたショーン・ベイカーが、自らの幸せを勝ち取ろうと全力で奮闘するロシア系アメリカ人の若きストリップダンサー、アノーラの等身大の生きざまを丁寧かつユーモラスに描写し、清濁合わせ呑む人間らしさに溢れている。主役のアノーラには、本作が映画初主演となる新星マイキー・マディソン。アノーラに夢中になるお調子者のロシア新興財閥の息子イヴァンを「ロシアのティモシー・シャラメ」が愛称のマーク・エイデルシュテインが演じている。セックス、美、富というパワーゲームの中で利用されながらも、自らの幸せを求め続ける人間たちへの賛歌を、ユーモアを交えながら真摯な眼差しで描きだした快作だ。階級意識や偏見に抗うアノーラの圧倒的パワーとエネルギーが、凝り固まった今の世の中を鮮やかに蹴り飛ばす!約束されたハッピーエンドなんて存在しない。物語は自分で作るしかない。ちょっとビターで最高に刺激的な予想を超える結末にぜひ期待して欲しい。逆境に立ち向かう強気でセクシーなアノーラに、きっと誰もが勇気づけられ、元気をもらえるはず―。
マイキー・マディソンは1999年3月25日生まれの25歳。2013年短編映画でデビューし、その後、TVシリーズ『ベター・シングス』(16~22)での演技で一定の評価を得ていたものの、ドラマシリーズや映画への端役が続いていた。しかし、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(19)で演じた火炎放射器で黒焦げにされるマンソン・ファミリーのスーザン・アトキンス役と、『スクリーム』(22)で頭に火をつけられるティーン・エイジャー、アンバーの演技がショーン・ベイカー監督の心を鷲掴みにした。
劇場で『スクリーム』を観てすぐにマイキーのエージェントに連絡をとったという監督は、コーヒー・ミーティングをセッティング。自身のパートナーでもある本作共同プロデューサーのサマンサ・クワンと飼い犬2匹も同席し、マイキーと初対面した。この段階でまだ脚本もできていなかったが、企画を一通り話しマイキーがワクワクしている様子が伝わってきたという。アノーラというキャラクターに対して徹底的に向き合い、準備をしてくれるだろうと期待、確信した監督は、最初のインスピレーション通りマイキーを主人公アノーラ役に大抜擢。そしてこのミーティングから約1年後に撮影はスタートするが、マイキーは撮入までの1年間、役柄に関するリサーチやトレーニングはもちろん、積極的に『ANORA アノーラ』の企画にかかわり、脚本開発にも協力し、強固な信頼関係を築いた上で撮影を迎えることができたそうだ。
今回解禁された特別映像では、マイキー・マディソンがアノーラの役作りについて語っている。ストリップダンサーのアノーラを演じるにあたり、ポールダンスや訛りなど、役の外側の準備はもちろん、自らアノーラが住んでいるロシア人街ブライトン・ビーチに住まいを移したり、ストリップ・クラブに通ってダンサーからしきたりを学んだり、アノーラの内側をも理解して演じるために、時間をかけ、全身全霊でこの役に臨んだことが伝わってくる。本作が映画初主演のマイキーだが、監督からの信頼と期待に十二分に応えたことが伺え、映画がより楽しみになる内容だ。
特別映像
『ANORA アノーラ』
監督・脚本・編集:ショーン・ベイカー
出演:マイキー・マディソン、マーク・エイデルシュテイン、ユーリー・ボリソフ、カレン・カラグリアン、ヴァチェ・トヴマシアン
配給:ビターズ・エンド ユニバーサル映画
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