北村匠海 短編映画監督デビュー作『世界征服やめた』の本編映像が解禁され、併せて公開記念舞台挨拶の開催が決定した。

俳優でありアーティストとしても活動し、マルチな才能を発揮する北村匠海が、初めて短編映画の脚本・監督を務めた本作は、独特な言葉のセンスとパフォーマンスで注目をあびながら、2011年6月23日に不慮の事故でこの世を去ったポエトリーラッパー・不可思議/wonderboyの代表的な楽曲の一つである「世界征服やめた」に強く影響を受けた北村が、この楽曲からインスパイアされて脚本を書き下ろし、自らメガホンをとった短編映画。

萩原利久が演じる主人公・彼方は、社会の中で生きる内向的な社会人。変化の乏しい日常をやり過ごす中で、「自分なんて誰にも必要とされてないのではないか…」と自分の無力さを感じている青年。彼方は無口な青年なので、セリフは少ないのだが、セリフに頼ることなく佇まいなどから、彼方の心が折れかかっている危うさや孤独感などを表現している。また藤堂日向が演じる彼方の同僚の星野は、周りを明るくする太陽のような存在で、毎日の生活の中に楽しみを見出そうとする楽観的な性格ながら、白黒をはっきりさせたがる一面もある青年。前半では誰にでも懐いていくような気やすい雰囲気だが、後半ではありったけの痛みを放出する硬軟織り交ぜた熱演で観る者を引き込む。

今回解禁された本編映像は、萩原と藤堂が演じる彼方と星野が、会社帰りにとりとめのない話をしているシーン。なんでもない日常の中で、他愛もない話をする2人。特別なことが起きるわけでもない。しかしこのシーンの中にも、萩原が演じる彼方の絶望感、藤堂が演じる太陽のような雰囲気の星野のキャラクターを感じとれる映像となっている。

セリフに頼らず、雄弁な余白や沈黙で等身大の“傷”を画面に宿らせる絶妙なストーリーテリング、彼方と星野以外の人物が静止するストップモーション的なシーンに象徴される遊び心、東京の街や会社の中にぽつんと人物を置き、引きのカメラで孤独感を演出する画作り、彼方×星野と足並みを揃えながら、一切の無駄を感じさせない締まった構成ほか、百戦錬磨と見紛う完成度を見せつける。

本編映像

また、2月8日(土)に公開記念舞台挨拶の開催が決定した。なお、登壇キャストは後日発表される。

ヒューマントラストシネマ渋谷
会場:ヒューマントラストシネマ渋谷 スクリーン1(東京都渋谷区渋谷1-23-16ココチビル8F)
時間:
 9:50の回上映後(10:41~11:11舞台挨拶)
 11:40の回上映前(11:40~12:10舞台挨拶)

ユナイテッド・シネマとしまえん
会場:ユナイテッド・シネマとしまえん スクリーン3(東京都練馬区練馬4-15-20)
時間:
 12:45の回上映後(13:45~14:05舞台挨拶)
 14:35の回上映前(14:35~14:55舞台挨拶)

チケット料金:2,000円(※各種割引なし)
チケット発売:
 ヒューマントラストシネマ渋谷…1月31日(金)19時発売開始
 ユナイテッド・シネマとしまえん…1月31(金)24時(2月1日(土)0時)発売開始

『世界征服やめた』は2025年2月7日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開
企画・脚本・監督:北村匠海
出演:萩原利久、藤堂日向、井浦新(友情出演)
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
©『世界征服やめた』製作委員会