Amazon Original映画『Broken Rage』の配信記念記者会見が2月5日(水)に都内で行われ、北野武監督、浅野忠信、大森南朋、白竜、國本鍾建が登壇した。
本作はスタンダップコメディアンからキャリアを始めお笑いの頂点に君臨しながら、世界有数の映画監督としても、今なお活躍する北野が、型破りな演出と予測不能な展開で映画界の常識を打ち砕く意欲作。約60分の映画を前半と後半のパートに分け、前半では、警察とヤクザの間で板ばさみになった殺し屋が生き残りをかけて奮闘する骨太のクライムアクションを描き、後半は前半と同じ物語をセルフパロディという手法を使ってコメディタッチで描き出す。
本作はヴェネチア映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門で上映された本作だが、北野武監督、浅野忠信、大森南朋の3人が公式上映に参加した。そのヴェネチア国際映画祭について、北野監督は「(会場がある)島へ行くのでボートに乗ったんですけど、頭をぶつけてしまって帰ってきてから記憶がないんです」と話し、「(浅野や大森らと)一緒に立っているんですけど帰ってきてその記憶がなくて」といい、「関係者に『ヴェネチアどうだったの?』と聞いて、酷い意見は言わないから疑っているんですけど『好評でした』と」と明かした。
前半では、警察とヤクザの間で板ばさみになった殺し屋が生き残りをかけて奮闘する骨太のクライムアクションを描き、後半は前半と同じ物語をセルフパロディという手法を使ってコメディタッチで描き出すという実験作である本作。
浅野は上映時の観客の反応について「(後半からは)いきなり劇場の雰囲気が変わった。全く違うムードで映画を見だした」と感じた様子だった。また、劇場には「武さんの古くからのファンがいらっしゃった」といい、サインを求めるファンが多くいたということで「武さんや浅野くんであったり(が写真やサインを求められていた)。僕のもたまにあるんですけど、僕にサインしてくれと渡された写真は大概浅野くんなんです」と笑いを誘った。
約60分という尺で描かれる本作だが「編集で2時間半くらいあるかなと思った。撮影の時は感じなかったけど、全部撮り終わったフィルムを編集したら、いつのまにか家で寝転がってテレビを見ている感覚で編集が始まって。お茶の間の雰囲気で編集したらえらい短くなった。モバイルで見るのと劇場で見るのは同じストーリーで同じテンションで撮っているのに」と明かす北野監督は「ワンカットワンカットを伸ばせば普通と同じ長さになるんですけど、配信で編集するとここまで短くなっちゃうんだと」と驚いたという。
タイトルについては「お陰様で『アウトレイジ』はそれなりの成功を収めたので、現代的な撮り方でヤクザ映画を撮ったんですけど、それに対するパロディという意味もあって、それをブロークンするという意味も含もて。自分の映画自体のキャリアを壊すという意味でタイトルをつけた。あまり深い意味はない(笑)」と語った。
また、「映画は総合芸術であらゆる要素を含んでいるから面白い」と話す北野監督は「(映画監督として)仕事ができているのは非常に嬉しいこと。今考えればコメディアンの舞台とかいろんなものを経験したのは最終的には映画に繋がってくる、後付けですけど。関われることを非常に嬉しく思っています」と語った。
配信作品については「これほど通信機器が発達してきた時に、エンターテインメントがどういう方法をとるのか。今は過渡期で試されてる。その渦中にいる我々はいろいろチャレンジしたいと思っています」と語った。
【写真・文/編集部】
Amazon Original映画『Broken Rage』は2025年2月14日(金)よりPrime Videoにて世界独占配信
監督・脚本:北野武
出演:ビートたけし
浅野忠信
大森南朋
仁科貴、宇野祥平、國本鍾建、馬場園梓、長谷川雅紀(錦鯉)、矢野聖人、佳久創、前田志良(ビコーン!)、秋山準、鈴木もぐら(空気階段)
劇団ひとり
白竜
中村獅童
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