第97回アカデミー賞6部門ノミネート『ANORA アノーラ』の本編映像が解禁され、併せて各界の著名人からコメントが到着した。

本作『ANORA アノーラ』は、ニューヨークを舞台に身分違いの恋という古典的な題材を21世紀風にリアルに映し出した、アンチ・シンデレラストーリー。幾度となくアメリカ社会の「声なき声」をすくいあげ評価されてきたショーン・ベイカーが、自らの幸せを勝ち取ろうと全力で奮闘するロシア系アメリカ人の若きストリップダンサー、アノーラの等身大の生きざまを丁寧かつユーモラスに描写し、清濁合わせ呑む人間らしさに溢れている。主役のアノーラには、本作が映画初主演となる新星マイキー・マディソン。アノーラに夢中になるお調子者のロシア新興財閥の息子イヴァンを「ロシアのティモシー・シャラメ」が愛称のマーク・エイデルシュテインが演じている。セックス、美、富というパワーゲームの中で利用されながらも、自らの幸せを求め続ける人間たちへの賛歌を、ユーモアを交えながら真摯な眼差しで描きだした快作だ。階級意識や偏見に抗うアノーラの圧倒的パワーとエネルギーが、凝り固まった今の世の中を鮮やかに蹴り飛ばす!約束されたハッピーエンドなんて存在しない。物語は自分で作るしかない。ちょっとビターで最高に刺激的な予想を超える結末にぜひ期待して欲しい。逆境に立ち向かう強気でセクシーなアノーラに、きっと誰もが勇気づけられ、元気をもらえるはず―。

今回解禁された本編映像は、主人公のアニーことストリップダンサーのアノーラが、ロシアの新興財閥の御曹司イヴァンと結婚式を挙げる幸せ絶頂のシーン。映像では、共に楽しい時間を過ごすうちに恋に落ちた“契約彼女”アニーとその雇い主イヴァンが、勢いのまま旅先のラスベガスの教会で式をあげる様子が映し出されている。この教会は、24時間営業でいつでも車で乗り付けて挙式ができる「ドライブスルー教会」として有名で、ブリトニー・スピアーズやマイケル・ジョーダン、浜崎あゆみらがここで結婚式をあげている。

挙式の後、アニーとイヴァンは”世界は二人を中心に回っている“と言わんばかりに路上で抱き合い踊るが、ここで流れる曲はTAKE THATの「Greatest Day」。歌詞がぴったりくる多幸感たっぷりの映像だ。定石通りの物語ならここでハッピーエンド。しかし現代のシンデレラストーリーは決してここで終わらない。御曹司を射止め、『プリティ・ウーマン』さながらの玉の輿にのったアノーラに待ち受ける未来とは―。

本編映像

併せて、各界の著名人からコメントが到着した。

是枝裕和(映画監督)

ショーン・ベイカー監督の人間愛を体現した全ての登場人物に拍手を!

長谷川京子(俳優)

全ての女の子、女性に観て欲しい。
表層的な振る舞い、虚構と真実。
強がりは自分を守る盾になり。
でも、そろそろ気づいてるはず。
本当のあなたは?

吉田恵里香(脚本家)

今までエンタメがキラキラとコーティングをして目を瞑ってきたものの中には、あらゆる社会問題と女性蔑視が詰まっている。目を逸らさず正面
から描いてもエンターテイメントは成立する。「目を瞑らすな、言い訳するな」と、セックスワーカーを描き続けてきたショーン・ベイカーから
突き付けられた気がしました。

バービー(お笑い芸人)

幸せなんてつかめなくて当たり前!人生はミスしてなんぼ、まずはアノーラみたいに手を出さなくちゃ!アノーラと一緒に飲んで語りたい!

豊田エリー(俳優)

ショーン・ベイカー監督の眼差しは信頼できる。
この“アニー”に銃はいらない。言葉の弾丸が鋭くもコミカルに私の心を撃ち抜いた。好き!!
一生鳥かごから出られないであろうアイツより、ずっと気高く自由で逞しいよ、アニー。

尾崎世界観(クリープハイプ)

電池の残量が0%になるまですべて感情を使い果たす。そんなアノーラを見ていると、こまめに充電ばかりしている自分が情けなくなる。言葉にならないあのラストシーンを握りしめて、もっと思い切り生きていこうと思った。

ジェーン・スー(コラムニスト・ラジオパーソナリティ)

うまい話はおとぎ話ではない。でも、それでよかったんだと思う。
自分が抱えた現実に真正面から対峙していくことができたのは、アノーラだけだったのだから。
大切なのは、それだけなのだから。

ゆっきゅん(DIVA)

アニー、いや、アノーラ!あなたの人生は極彩色のジェットコースターで大音量、愚かで眩しく素直で美しい。予想がつくような展開でも全く飽きない139分。激しさの中で隠れていた優しさが露わになってゆくような終盤の二人が愛おしかった。

戸田真琴(文筆家・映画監督・元セクシー女優)

かわいくて、セクシーで、有能で、どこか空っぽ。
今この瞬間も、アニーみたいな女の子は世界中にいて、自分の足で歩いている。
アニーは、物語のためにいるんじゃない。
物語のほうが、アニーに伴走する悦びを味わうときが来たのだ。

山田佳奈(脚本家・監督・舞台演出)

「あなた人生イージーに生きてきたでしょ?」
言ったことのある言葉が、ブーメランのように返ってきて、中指を立てた。ふざけんなよ、どうせお前も同じだろって。女だからその痛みが死ぬほど理解できて、最後一緒に泣いてしまった。

森田望智(俳優)

魔法が解けてようやくアノーラの物語の1ページ目をめくることができるラストシーン。
こんな歪で美しいシンデレラストーリーをずっと観てみたかった気がします。

辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)

もはや普通のシンデレラストーリーや玉の輿は、オールドハッピーエンドなのかもしれません。アノーラを応援しながら観ていたら、いつの間にか自分が生きる力をもらっていました。

宇垣美里(フリーアナウンサー・俳優)

乱痴気騒ぎな冒頭から誰がこんなビターな味わいの余韻を予想できようか。
自ら幸せを掴み取らんと、感情をむき出しに暴れ、罵り、戦うアニーが愛おしくて眩しくて。
勝手に戦友みたいな気持ちで、
ふざけんなよ…!と爪が食い込むほどに拳を握っていた。

枝優花(映画監督・脚本・写真家)

この地球で生きている限り、誰もが未熟でままならない。人生は理不尽でどこか壊れている。
なのにどうして皆、自分だけはまともだと証明したがるのだろうか。
そんなもの本当はいらないと言ってほしいはずだ。
そうだ、どうだっていいじゃないか。
どこまでも愚かで破滅的なこの人生を大闊歩していけばいい。
ショーン・ベイカーの映画は、いつだってどうしようもない私たちを抱きしめ祝福してくれる。

奥山大史(映画監督)

物語の浮き沈みに合わせて、光も色も構図も絶妙に変わってゆく。
アナモルフィックレンズと35ミリフィルムの組み合わせによってこそ映し出せるカットの数々にくらくらしました。

ひらりさ(文筆家)

幸せってなんだろう。
好きなだけお金を使えること?頼れる家族がいること?愛する人と末長く暮らすこと?
それとも……。
メディア産業と資本主義が人々にかけた魔法を、ショーン・ベイカーはユーモアたっぷりに解いて見せる。
それは、自分なりの幸福を諦めない、すべての人への人生讃歌だ。
アノーラ、世界一かっこいいヒロイン!

こがけん(お笑い芸人)

スクリーンから溢れ出るのはTHE人間味!
傷だらけでぶつかり合う欠点だらけの人々を、つい愛さずにはいられない。
怒りのアノーラから放たれる大量のFワードの爽快さたるや!
アノーラがアノーラを生きることが、こんなにも清々しいなんて!

土岡哲朗(春とヒコーキ)

主人公アニーは、王子に選ばれたからそれまでの生活を脱出できたシンデレラ。でも、彼女にも幸せになる権利がある。浮かれたラブストーリーではない。自分の尊厳を守る戦い。

伊藤さとり(映画パーソナリティ・映画評論家)

自分を持った強い女性、アノーラが大好きだ。
愛すべきイゴールに泣かされる度、好きになった。
不器用だけど純粋な彼の言葉は、全世界の人の心を溶かすはず。
社会の外れ者応援団、ショーン・ベイカーの愛がいっぱい詰まった最高傑作がここに!

深爪(コラムニスト)

全編に渡って描かれる“性”と“生”。幸せを求め、時に傷つきながらも貪欲に気高く逞しくサバイブしてきたアノーラが最後に手に入れたものと
は。ただの“シンデレラストーリー”に終わらないラストシーンの余韻に浸ってほしい。

『ANORA アノーラ』は2025年2月28日(金)より全国で公開
監督・脚本・編集:ショーン・ベイカー
出演:マイキー・マディソン、マーク・エイデルシュテイン、ユーリー・ボリソフ、カレン・カラグリアン、ヴァチェ・トヴマシアン
配給:ビターズ・エンド ユニバーサル映画
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