『早乙女カナコの場合は』公開記念舞台挨拶 橋本愛、山田杏奈との共演で「カナコの麻衣子に対しての気持ちと重なるところがある」

『早乙女カナコの場合は』の公開記念舞台挨拶が3月15日（土）に新宿ピカデリーで行われ、橋本愛、中川大志、山田杏奈、臼田あさ美、矢崎仁司監督が登壇した。

柚木麻子の原作小説を実写化した本作『早乙女カナコの場合は』は男勝りで過剰な自意識ゆえに素直に甘えることができず、本当は誰よりも純粋で不器用な主人公・早乙女カナコと演劇サークルの先輩・長津田の10年にわたる恋愛模様を中心に、彼女たちと周囲の人々が右往左往しながらも各々が自分を見つめ直していく姿を描いた恋愛奮闘記となっている。主人公・早乙女カナコ役を橋本愛、長津田役を中川大志が演じる。その他に山田杏奈、臼田あさ美、中村蒼、根矢涼香、久保田紗友、平井亜門、吉岡睦雄、草野康太といった若手から実力派まで幅広い俳優陣らが出演する。監督は『三月のライオン』『ストロベリーショートケイクス』などで知られる矢崎仁司が務める。

「私自身にも重なるところがあって共感しながら演じられた役でした」という橋本は「カナコの生き様や存在が魅力的に映ったり、心に残るものであったとしたら私自身も救われる気持ちになります」と本作に込めた思いを語った。

「自分が演じたので、僕自身もたくさん入っているキャラクターになっているのかな」という中川は、自身が演じた長津田について「すごく不器用で、人間くさい、弱い部分を軸に彼のことを作っていった」と振り返り、「どんどん好きになっていって一心同体になっていった」と明かした。

本作ではカナコや長津田が所属する演劇サークルに入り、長津田に片思いする本田麻衣子を演じた山田は「演じていてどんどん（自身が演じる）麻衣子が好きになるような、爽快な女性ですごくよかった」といい、「自分自身の中に、自分の魅力を見出せるようになってくるというのがすてきな成長」と撮影を振り返った。

そんな山田との共演に、橋本は「私はファンだったので共演できて嬉しかったです。私が山田杏奈さん自身を“かわいい”と思う気持ちが、カナコの麻衣子に対しての気持ちと重なるところがある気がしました」と明かした。2人が演じたカナコと麻衣子について「お互いがお互いをエンパワーメントしあう関係」と表現した橋本は「カナコを演じていて、私は麻衣子にとって魅力的な人に見えているだろうかという不安は常にあって。麻衣子からどう見られているかということも考えながら演じていました」と明かした。

また、印象的なシーンについて「カットされちゃったんです…」という中川は「長津田が髪を切るシーンがありまして…。ハプニングで長津田が大事にしてきた長髪が、ミスで前髪が短くなっちゃうシーンがああった」というが、カットされたことで「本編を見たら急に短くなる」といい、矢崎監督は「ミュージックビデオを見ていただければ、カットシーンはほとんど入れてもらっている」と恐縮しきりの様子だった。

【写真・文／編集部】