映画『BETTER MAN/ベター・マン』の圧巻のミュージカルシーンの立役者である2人の振付師に迫る。
本作は、マイケル・グレイシー監督が贈る圧巻のスケールと幻想的かつ、Fantasticalな世界を驚くべき斬新なビジュアルと感動的な音楽で作り出すミュージカル・エンターテイメント。監督は2018年に日本公開されたミュージカル・エンタテインメント『グレイテスト・ショーマン』で世界中を感動させたマイケル・グレイシー。最新作で主人公に選んだのは、イギリス音楽界において史上最高の売り上げ記録をいまだ維持する“スーパー”ポップスターのロビー・ウィリアムス。1990年にボーイズグループ「テイク・ザット」のメンバーとしてデビューし、その後ソロアーティストとして世界的な成功を収めたウィリアムスの波乱に満ちた人生を、観る者を夢中にする斬新な映像表現で、切なくもダイナミックに描き切る。
ロビー・ウィリアムスの激動の半生を、斬新な映像表現と感動的な音楽で鮮やかに描いた『BETTER MAN/ベター・マン』。本作の最大の見どころの一つとして挙げられるのは、ロビーの数々の名曲をダンスパフォーマンスで彩った圧巻のミュージカルシーンだ。これらのシーンは、マイケル・グレイシー監督と20年もの間、ともに仕事をしてきたオーストラリア人の振付家・アシュリー・ウォレンによって生み出されたものである。
ウォレンはグレイシーが映画監督になる前からのビジネスパートナーであり、もちろん監督の前作である『グレイテスト・ショーマン』でも振り付けを担当。映画、テレビ、音楽ビデオ、その他メディアで発表された優れた振り付け(コレオグラフィー)を表彰する、第8回ワールド・コレオグラフィー・アワードでもノミネートされるなど、その仕事ぶりを高く評価されている。グレイシー監督との度重なるタッグについて、ウォレンは「(本作の共同脚本家である)サイモン・グリーソンが、20年以上前に初めてマイケルを紹介してくれたのです。それ以来、コマーシャルから映画まで、彼が手がけたすべての作品で一緒に仕事をしてきました。これほど長い間、誰かと一緒に仕事をした経験はなかったですし、マイケルと私が同じ言語を持っているおかげだと思います。彼はダンスも理解しているし、たくさんのダンスを映画に取り入れたいと思う人と一緒に仕事ができるのは本当にラッキーです。夢が叶いましたね」と振り返り、長い年月をかけて監督との間に確立された信頼を覗かせた。
そして本作のミュージカルシーンに欠かせないもう1人の立役者が、アシスタント振付師を務めたジェニー・グリフィンである。グリフィンは現在、ロビーのダンス・キャプテンを務めるほか、彼の最後のアリーナ・ツアーやスタジアム・ツアーを含め、過去10年間も共に仕事をしてきた人物。グレイシー監督とロビー、それぞれから厚い信頼を得ている2人の振付師による共同作業の上、1990年代初頭にテイク・ザットが披露した有名な振り付けの再現に取り組んだところ、これらは意外にもスムーズに進んだという。
「ある人に、テイク・ザットのシーンのために90年代のダンスをリサーチするのは大変ではないか?と尋ねられました。でも私は90年代にはすでにダンサーをしていたからリサーチする必要などありませんでしたね。あの時代を生で経験してきましたし、テイク・ザットのファンで、同じ“リライト・マイ・ファイア”の衣装を着て大きなコンサートに行ったこともありました。ですから、90年代のダンスというより、彼らの動き方により注目していました」とウォレンが振り返るように、当時のダンスシーンを直に経験してきた彼らにとって、その時代に即したダンスの考案は全く苦ではなかった。実際にテイク・ザットの振付師だったキム・ギャヴィンが90年代に取り入れていた象徴的なステップのエッセンスを押さえつつ、刷新されたダンスは単純に当時を再現するために模倣したパフォーマンスではなく、現代的でありつつもどことなくアイコニックな彼らの振付を思い出させる魅力的なシーンに仕上がった。
ウォレンとグリフィン、2人の振付師とグレイシー監督が綿密に連携してミュージカルシーンの振り付けとカメラの動きを考案し、シーンに活気溢れるエネルギーと革新的なストーリーテリングをもたらした『BETTER MAN/ベター・マン』。ロビーが過ごしてきた激動の半生もさることながら、こだわり抜かれた楽曲のパフォーマンスシーンにも、ぜひ劇場で注目していただきたい。
『BETTER MAN/ベター・マン』は全国で公開中
監督:マイケル・グレイシー
出演:ロビー・ウィリアムス
配給:東和ピクチャーズ
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