『ドールハウス』第45回ポルト国際映画祭凱旋報告会が4月5日(土)に都内で行われ、長澤まさみ、矢口史靖監督が登壇した。

主演を務める長澤まさみが脚本の面白さに出演を熱望したという本作は、110分の間、怒涛の展開を見せるノンストップの“ドールミステリー”。脚本・監督を務めたのは、『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』など、誰もが楽しめる上質な娯楽作品を次々と世に送り出してきた矢口史靖監督。愛らしい人形が一転、家族を翻弄してゆくスリリングな面白さはもちろん、人形に隠された秘密が徐々に解き明かされる謎解きミステリーの醍醐味もあり、冒頭からぐいぐい観客を引き込んでいく、息もつかせぬストーリー展開に加えて、多彩な演出ノウハウが惜しみなく盛り込まれた映像は仕掛けも満載。これまでのミステリー映画とは一線を画す、新しくクールな映像体験にゾクゾクとする戦慄が止まらないこと間違いなし。そして、予測もできない驚きのラストが待ち受ける。

「手ごたえばっちりです」と挨拶した矢口監督。本作は、ポルトガルのポルトで開催された世界三大ファンタスティック映画祭の一つであるポルト国際映画祭で最高賞となるグランプリ「Best Film Award」を受賞したが、現地を訪れた矢口監督は「初めて一般の人が見るので緊張していたんですけど、驚くほど反応がよくて。日本人のお客さんよりも反応が派手だという覚悟はしていたんですけど、つい僕も『これはいける』と有頂天になりました」と笑いを誘った。長澤も「一番いい賞をいただいて嬉しいなと思いました」と笑顔を見せ、「日本の皆さんにも楽しんでもらえるんじゃないかと自信がついた」と語った。

現地ではアヤ人形と一緒に観光したという矢口監督だが「あちこち見たいというもんですから。せっかく人形を連れて行ったのでベビーカーに乗せて歩いていたんです」と明かし、写真を撮られることもあったようで「映画の宣伝には全く関係ないんですけどウケてた」と笑いを誘った。さらに今後も香港国際映画祭、ウディネ・ファーイースト映画祭にも出品が決定し、さらに海外20か国以上での上映が決定しており、「早く日本のお客さんに見せたいんですけど、弾みをつけるためにもいろんな国のお客さんをゾクゾクさせたい」と語った。

本作では、原案・脚本・監督を務める矢口監督だが、最初にプロデューサーにストーリーを送った際には「片桐さんという新人脚本家が僕に見せてくれた」と伝えたというが、話がトントン拍子で進んでいくと“新人脚本家”の存在について聞かれるようになり、「『僕なんです』と嘘をついていたことを白状して」と明かした。自身が書いた脚本であることを隠していたことに、「なんでそんなことをしたんですか?」と問いかける長澤。矢口監督は「ハッピーな映画ばかり作ってきたんです。いきなり『ドールハウス』を公開したらお客さんがドン引きするんじゃないと。嫌われるのが嫌だったんです」と笑いを誘った。

主演を務める長澤のキャスティングについては、矢口監督が希望したといい「出たいと言ってもらえたので、そこからはスピードが早かった」と明かす矢口監督。長澤は、出演を希望した理由について「意外で、余計に気になった」とこれまでの矢口監督作品とは異なる印象の物語に興味を惹かれたといい、「ゾクゾクする物語なんですけど、それを監督がどう作るかを見て見たかった」と明かした。

また、劇中で見せる長澤の表情の演技について「ばっちりです」という矢口監督は「つかみの部分はばっちりです。これを見たら途中で止められない」という表情を見せているといい、長澤は「撮影時も『今までにしたことがない顔をしてくれ』と。どういうことだと思いながら、できる限り自分の今までに見たことがない顔を想像しながら」演じたという。さらに矢口監督は「長澤さんのムンク顔を目に焼き付けてほしい」と絶賛し、長澤は「意識をして演じるというよりは、その場で感じるものに対して素直に反応して、私もゾクゾクしたかった。ゾクゾクしてもらえますよね」と笑った。

この日も常に抱えていたアヤ人形だが「本当にかわいいんです」と話す長澤は「毎日アヤちゃんの表情が変わっていくのをそばで見ていて。愛らしくて、人に好かれる子」とコメント。さらに「アヤちゃんとは共演者だと思っています。監督も愛情がすごかったですよね」という長澤に、矢口監督も「すごい酷使するので、毎日俳優さんと同じようにメイクしていたので日々表情が変わる」と明かし、長澤は「信頼があって、一緒にいるシーンは一人じゃないと思える」と語った。

最後に矢口監督は「今までに誰も見たことがないものを目指しました。キャーキャー騒ぎながら見てほしい」、長澤は「脚本を読んだときに物語にどっぷりつかってしまいました。どんな展開を迎えるのか、ワクワク、ドキドキ、ゾクゾクしながら作品にのめりこみました。映画館でもその感覚を味わっていただけると思います」と本作をアピールした。

【写真・文/編集部】

『ドールハウス』は2025年6月13日(金)より全国東宝系にて公開
原案・脚本・監督:矢口史靖
出演:長澤まさみ、瀬戸康史
 田中哲司
 池村碧彩、本田都々花、今野浩喜、西田尚美、品川徹
 安田顕、風吹ジュン
配給:東宝
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