南沙良主演『愛されなくても別に』の予告編とポスタービジュアルが解禁され、併せて主要キャストが発表された。

2013年、日本ラブストーリー大賞最終候補作に選ばれた「今日、きみと息をする。」で作家デビューし、続く「響け! ユーフォニアム」はテレビアニメ化され大ヒットしている武田綾乃。吉川英治文学新人賞を受賞した本作『愛されなくても別に』は、著作の中で実写化初となる作品。監督・脚本を務めるのは井樫彩。オリジナル作品をフィルムライクな映像表現で描きながら若者たちの言葉で表現しづらい心情を見事に映像化する手腕は本作でも顕著に見ることができる。浪費家の母親に依存され、人生に一度も期待を抱いたことのない主人公・宮田陽彩を演じるのは南沙良。

今回解禁された予告編は、経済的虐待をうける主人公の宮田陽彩、精神的虐待を親に売春を斡旋される江永雅に加え、過干渉な親から精神的虐待うける木村水宝石(あくあ)も登場する。陽彩、雅、水宝石、それぞれに違った形で親からの虐待をうける3人。親の援助をうけている水宝石に対し、経済的虐待をうけている陽彩から見れば<甘い>と毒づいてしまうが、「不幸って他人と比較できることじゃなくない?」と切実な思いを訴える水宝石の眼差しにはっとさせられる。

幸せも不幸も主観であって、人と比べることなど出来ないのだ。不幸比べをしても何も変わらない。子供には親の愛が必要かもしれない。だが、「愛している」という言葉で言葉を縛り付け、子どもを操り人形のように扱う親など必要なのだろうか—。「クソみたいな世界で、わたしの人生を、生きる」、そう覚悟して突き進む3人の姿に、苦しみの先に見出すであろう自由を感じさせる爽快感の残る予告編が完成した。

予告編

父を早くに亡くし、浪費家の母親から経済的虐待をうけている主人公の宮田陽彩を南沙良、そして親から売春を斡旋される陽彩の同級生・江永雅を馬場ふみかが演じることで話題となっている本作。今回、2人に引き続き、主要キャストが発表された。

宮田陽彩&江永雅と同じ大学に通う木村水宝石(きむら・あくあ)を、本田望結。過干渉な親に育てられ精神的虐待をうけていた。親の支配下から逃れるよう、新興宗教にはまっていく。

宮田陽彩&江永雅のアルバイト先であるコンビニの同僚・堀口順平を基俊介(IMP.)。アルバイト代を生活費や学費にあてる陽彩とは対照的に、留年した上にお洒落やギャンブルにつぎ込んでしまう。

雅の父親が殺してしまった被害者の遺族・大山幸太郎を伊島空。父親を殺された復讐のため、雅に近づく謎の男。

福岡で暮らしている水宝石の母親・木村美佐子を池津祥子。水宝石の行動を監視するように、日々大量の電話をしてくる母。水宝石が心配になり上京してくるのだが…。

宮田陽彩の母親。会社員だが、浪費家。現在は10歳下の彼氏がいる宮田愛を河井青葉。浪費がやめられず、娘のアルバイト代も使ってしまう。家に彼氏を連れ込むなど欲望のまま生きる女。

hockrockb

また、主題歌がhockrockb「プレゼント交換」に決定した。ドラマ「極限夫婦」主題歌となった「バタフライ」と、テレビアニメ「鴨乃橋ロンの禁断推理」2nd Seasonエンディング主題歌となった「ラビリンス」の楽曲使用をきっかけに、海外での知名度も急上昇している人気バンド。音楽スタイルの幅広さや、ドラマティックな表現力など、彼らの音楽やメッセージにはリスナーに深い印象を残す特別なものがあると高く評価されているhockrockbが、本作のために書き下ろした。

hockrockb コメント

見かけも性格も違うけど心の根っこが似ている者同士が2人だけの共通言語のようなものを使って支え合っていく様子、映像の瑞々しさ、同時に漂うほのかな寂しさを織り込んだ楽曲です。大切な人を思い出す、やさしい時間になるといいなあと願っています。

『愛されなくても別に』は2025年7月4日(金)より新宿ピカデリーほか全国で公開
監督:井樫彩
出演:南沙良、馬場ふみか
本田望結、基俊介(IMP.)、伊島空、池津祥子、河井青葉
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
©武田綾乃/講談社 ©2025 映画「愛されなくても別に」製作委員会