『誰よりもつよく抱きしめて』の公開記念舞台挨拶が2月8日(土)にTOHOシネマズ日比谷で行われ、三山凌輝、久保史緒里(乃木坂46)、ファン・チャンソン(2PM)、永田凛、内田英治監督が登壇した。

感涙必至の究極の純愛小説として話題となった新堂冬樹の同名小説(新堂冬樹/著、光文社文庫)を映画化した本作。『ミッドナイトスワン』『サイレントラブ』をはじめ、生きづらさを抱えながらも愛を通して他者と関わる人間の様相を写し取ってきた内田英治監督の真骨頂となる本作で脚本を手掛けたのは『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』などの話題作を手掛ける脚本家イ・ナウォン。W主演を務めるのは三山凌輝&久保史緒里(乃木坂46)。強迫性障害による潔癖症で、常にビニール手袋着用で生活し、同棲する恋人にも手すら触れることができない絵本作家志望・水島良城をBE:FIRSTメンバーRYOKIとしても活躍中の三山凌輝、恋人に触れてもらえず、彼の病気を理解しつつも、自分の揺れ動く心に思い悩む書店員の女性・桐本月菜を久保史緒里が演じる。そんな2人の関係が不安定になるなか、月菜の前に現れた、恋人と触れ合っても心が動かない男イ・ジェホン役を2PMのメンバー、ファン・チャンソンが演じる。

大歓声に包まれながら、上映後の劇場に登壇した三山は「まだ涙を流している方がいて登場早かったかな」と話しつつ「みなさんの表情を見て感じることがたくさんある」と観客の反応に感慨深げな様子を見せた。久保は「撮影していたときから公開するまで、いろんな感情を抱えている人間がいっぱい出てくるので、公開を迎えたらみなさんどう受け取っていただけるんだろうとすごく楽しみにしていた」と笑顔を見せた。

一方で「日本で撮影した映画が9年ぶり」と話すチャンソンは「舞台挨拶ははじめてで、こういう風にやるんだな」と笑いを明かしつつ、「入ってくる瞬間に、みなさんの顔が潤んでいていて、すごいなと。スタイリングが違うけど大丈夫かなと、髪も切っちゃっているし」と笑いを誘った。

演じる上では「病気と向き合っている役柄でもあったんですけど、そこにだけフォーカスを合ってしまうと、根本的なものを見るとその人が何でそうなったのか、どのように苦しんでいるのか。症状は人それぞれだと思ったので、彼自身にフォーカスを当てて向き合うと決めました」と話す三山は「人それぞれの悩みがあって、いろんな環境と人生を描いていますが、人間が生きていく中でそれぞれの葛藤や悩みがある」と本作に込めえた思いを語った。

一方で「良城と月菜の関係性において、初めからそうではなかったのが大きい。大きな壁ができたという意味では、いつ誰に起こるか分からない特別な話ではない」と話す久保は「触れられないという壁以外にも、家族だったり、恋人同士、友達同士、いろんな壁がみなさんあるんだろうなと思って。自分だけがしんどい、辛いという思いにならないようにというのは気持ちとして、ずっとありました」と降り勝った。

そんな三山と久保は“お互いの印象”を聞かれると、無言で向かい合う2人。これに内田監督は「今の間がすべての答えです」と話し、会場は笑いに包まれた。「久しぶりに会ったもので…(笑)」と笑う久保だが、「心の距離感は近くいたいと思っていたので、コミュニケーションは私なりに積極的に取らせていただいたつもりなんですけど、いかがでしたか?」と問いかけると、「今初めて目が合いました」と返し、笑いを誘う三山。

そんな久保について、三山は「人見知りがある方みたいで、『普段は心を開かないんですよ』と言っていたんですけど、僕と話すときはスッて心を開いてくれたイメージだったんです。だから僕は久保ちゃんに人見知りかなと思うことは少なかった」と語った。

初対面では部屋の隅にそれぞれ座り、会話もなかったという久保とチャンソンだが、「久保さんがそんなにしゃべる人とは思わなかった」というチャンソン。三山は「最近チャンソンが久保ちゃんに言うセリフがある。3人で話が盛り上がって、『3人で仲良くなれているじゃん』と思うと、急に久保ちゃんが一歩引いて『仲いいね』と言ってくるんです。チャンソンが言う一言が『逃げるな』」と明かし、会場は笑いに包まれた。話が大いに盛り上がると、久保が「楽しい現場でした」と一言でまとめ、会場は笑いに包まれた。

【写真・文/編集部】

『誰よりもつよく抱きしめて』は全国で公開中
監督:内田英治
出演:三山凌輝、久保史緒里(乃木坂46)、ファン・チャンソン(2PM)、穂志もえか、永田凜、北村有起哉、北島岬、竹下優名、酒向芳
配給:アークエンタテインメント
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