前作を超える大いなる悪ふざけと揺れるテッドの問題
一見愛らしいクマがとんでもないオヤジだったことが分かった前作。その続編である本作は、規模もキャストも上回っている。そして、本作のテーマとなるのは「テッドは人なのか物なのか」。前作でも感じた疑問をストレートに投げかけてきた。そのため裁判であったり、前作にはなかったより社会的なシーンもふんだんに盛り込まれている...が、しかし、テッドの基本となる部分、"ブラックユーモア"は変わらずだ。常にマイペースな展開。新たなキャストも自然と溶け込んでおり、前作の雰囲気がそのまま流れており、前作からのファンも、本作から見る人も楽しめる。
オープニングのシーンからグレードアップしたのを感じる。始まった瞬間、「前作以上の"テッド"を見せるから期待してね!」とセス・マクファーレン監督の声が聞こえてきそうだ。また、テッドがテッドとして成り立つために、本作では非常に豪華な"脇役"が支えている。普段は主役を演じるハリウッドスターがちょい役で出ちゃってるのだ。なんとも贅沢すぎる演出に、改めてテッドの人気の高さが伺える。今回新たに出演するアマンダ・セイフライドは新米弁護士を演じるが、本作では同性愛、人種差別などの問題提起を行っているようなシーンも見受けられる。しかし、そこはテッド。弁護士ですらも笑いを誘うコメディテイストの演出だ。
今回舞台を広げたことで、物語の幅も広がった。コミコンなんかはいかにもテッドらしい演出もあり、非常に満足度が高い。自然と笑いがねじ込んでおり、常に笑っていられる。ただ、バカバカしいようなギャグや悪ふざけがありつつも、感動的な演出を織り交ぜてあるのは前作同様。作品を見る人が、テッドが"人間と同じ"だと思ってしまうのはこのような人間の感情に訴える演出があるからだろう。
(text:編集部)
(原題:Ted2)
2015年8月28日(金)より全国で公開!
アメリカ/2015年/116分
監督:セス・マクファーレン
出演:マーク・ウォールバーグ、アマンダ・セイフライド、モーガン・フリーマン
©Universal Pictures.