絶え間ない悲しみ

『SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2015』

長編部門(国際コンペティション)

絶え間ない悲しみ
La Tirisia
メキシコの片田舎。広大な大地で繰り広げられる、情熱的な人間ドラマ。
チェバとエンジェルは同じ男シルヴェストレの子供を宿しているが、二人ともシルヴェストレの妻ではない。チェバは夫の出稼ぎの間に出産するが、夫が戻ってくるため、生まれたばかりの子をエンジェルに押し付ける。

7月19日の上映後、ホルヘ・ペレス・セラーノ監督がQ&Aに登壇した。

『絶え間ない悲しみ』

『絶え間ない悲しみ』

―村で集会があったが盛り上がらなかった。笑いを取るために仕掛けたのか、その意図は
メキシコでは政治家がやってくる、教会でのお祭りがイベントごとで、これらは幸せを与えてくれる。教会は希望を人にくれ、政治家は今をよくしてくれる。表現したかったことは、これらは自分たちの助けにはならなかったということ。自分たちがイメージしていることは助けにはならなかったということを表現したかった。

―メキシコ映画に共通するのが映像の美しさが感じられる。特にこだわった点は
映画は映像が大事で、私はそこに住んでいたし、思い出させてくれる。言葉はいらない物語に映像が助けてくれた。作品を作っているときにある画家にあったが、その風景画を元にカットを想像した。

―サボテンのシーンで高いところから取っていたのは
ピタージャという名前のフルーツを取っていた。その場所でしか取れない。それを市場に持っていって食べる。とてもジューシー。

―へその緒を木の上に下げるのは伝統なのか
地方によって、へその緒を掲げるか地面に埋めるのが子どもの今後の人生を示す伝統。わたしの父は、きみのへその緒はここに埋まっているからその場所に行って死ななければならない。その土地を離れてほしくない、その土地で生まれたのならその土地で生きてほしいという伝統。今のメキシコの現状は多くの人がアメリカに行ってしまい、ゴーストタウンになってしまう。

―蝶々はどんな思いで入れたのか
魂を象徴しているということで入れた。出口を見つけているということ。

―バードマンのイニャリトゥ監督などメキシコのフィルムメーカーが注目されている理由は
逆にお尋ねしたい。映画がメキシコの国外に出て収益を上げればメキシコ国内で映画を撮影できるのでありがたいこと。国外に出るのは年間で3~4本。

2014年/メキシコ/110分
監督:ホルヘ・ペレス・ソラーノ
出演:グスタボ・サンチェス・パラ、 アドリアーナ・パス、ノエ・ヘルナンデス、ガブリエラ・ カルトル、メルセデス・ヘルナンデス、アルフレード・エレラ

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