『ミッドナイト・アフター』

シッチェス映画祭 ファンタスティック・セレクション2015
《シッチェス映画祭 ファンタスティック・セレクション2015》『ミッドナイト・アフター』

タイトルが「ミッドナイト・アフター」で都市消滅SFミステリーって聞いてたので、てっきりアメリカ映画かと思っていたら、まさかの香港映画でびっくりした本作、夜行バスに乗り込んで目的地に着いてみたら街の住人が全て消えていて、残された乗客とバスの運転手は...という話なのだが、なんと登場人物(バスの乗組員)が17人。

多くない?!

子供が産まれることになった友人から小型の夜行バスの運転を引き受けた運転手のシュは、乗客を乗せ目的地の大埔(タイポー)に向かうが途中のトンネルを境に世界中の人類が消失してしまう。現地に着いた一行だが、街の様子はそのまま、人間だけが全て消えていた。困惑する17人だったが、そのうちに一人一人謎の死を遂げて行き...。

ロン毛の若者アチーを中心に、仕切り屋のおっさんファ、メガネのIT系男性シュン、清楚な美女ユキ、中年夫婦のボビーとパット、美人だが胡散臭い占い師モック、メガネオタクのアウヨン、金髪ヤンキーの飛行機(あだ名)、その連れ短髪マッチョの接着剤(あだ名)、アバズレ女のラヴィーナ、大学生男子4人組、ヘロイン中毒のチンピラマンファイ、運転手のシュで計17人。やっぱり多い...。そして謎のあだ名のキャラクターがいる...。なんだよ、接着剤って。しかし、全員キャラ立ちがすごいし、初期の所で自己紹介が始まるので特に混乱も無くサクサク進みます。ありがたい。

香港映画のいい意味で泥臭い感じと、ちょいちょい出て来るCGが不思議な融合具合を醸し出してます。謎解きの要素もありますが、謎が謎を呼ぶ感じもあり...。死に方も割りとアバンギャルド。あと、こうゆう香港系の映画って何故がリンチシーンがあるよね。しかも日本の暴力的な殴る!蹴る!みたいなアクティブな感じのじゃなくて、ピンポイントで痛い感じのやつ!痛い!しかし、なんかコミカル!深刻なハードSFと言うよりは、所々軽いノリの理不尽系SF作品です。たまに笑っちゃう。けど、ここで笑っていーのかな...という所が香港映画っぽいなぁ。

(text:Hiro Sano)

『ミッドナイト・アフター』 (1)
『ミッドナイト・アフター』 (2)
『ミッドナイト・アフター』 (3)

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