第10回UNHCR難民映画祭

第10回UNHCR難民映画祭
10周年という記念すべき年を迎えた「第10回UNHCR難民映画祭」。2006年にこの映画祭が始まった頃、世界中で国外へ避難を余儀なくされた人々、そして国内で故郷を追われた人々の数はおよそ4000万人だった。その10年後、その数は6000万人に迫っている。本映画祭では【東京】【札幌】【仙台】の各会場で、世界中から集められた難民をテーマにした10作品が上映される。

上映作品

 『グッド・ライ~いちばん優しい嘘~』
『グッド・ライ ~いちばん優しい嘘~』
© 2014 Black Label Media,LLC. All Rights Reserved.
1983年にスーダンで始まった内戦によって孤児となった南部スーダン出身の3人の難民の子どもたち。13年間をケニアのカクマ・キャンプで過ごした彼らはやがて成長し、アメリカへの第三国定住の機会を得る。空港に降り立った彼らを待っていたのは職業紹介所に勤めるキャリーだった。新しい土地での生活に戸惑いつつも幼少期の辛い思い出を乗り越えようとする3人、そんな彼らを理解しようとするキャリー。そこに生まれた絆とは―。
アメリカ/2014年/110分/ドラマ
 【東京】10月2日(金)18:30 スパイラルホール
 【札幌】10月25日(日)13:00 札幌プラザ2・5
 【仙台】10月31日(土)13:00 せんだいメディアテーク
※10月2日(金)の東京/スパイラルホールでは上映後に〔ゲール・ドゥエイニー(出演)〕トークイベントあり
 『ホープ』
『ホープ』
© Pyramide International
【 日本初上映 】
ヨーロッパを目指してサハラ砂漠の奥深くを彷徨うカメルーン人の青年レオナールは、警察にレイプされたナイジェリア人の女性ホープを救出する。マフィアによる弱肉強食の掟と出身地によって分断されたゲットーの暴力が充満する世界から逃れようと、やがて惹かれ合う二人は互いへの愛に導かれてスペインまであと一歩のところまでたどり着く。だが彼らを容赦なく待ち受けていたものは―。
フランス/2014年/91分/ドラマ
 【東京】10月3日(土)13:00 スパイラルホール
 【札幌】10月25日(日)16:00 札幌プラザ2・5
 【仙台】11月1日(日)16:00 せんだいメディアテーク
※10月25日(日)の札幌/札幌プラザ2・5では上映後に〔飯村学 JICAアフリカ惨事役〕トークイベントあり
 『ボクシング・フォー・フリーダム』
『ボクシング・フォー・フリーダム』
©Making Doc
【 日本初上映 】
アフガニスタンの女子ボクシング界で最も優れた選手、サダフ・ラヒミ。彼女は自由を勝ち取るために国の伝統や恐怖、自身の運命に立ち向かわなくてはならない。難民として避難していたイランから姉のシャブナムと帰郷し、サダフが当時発足したばかりのボクシング・チームに参加したのはまだ13歳の時だった。新しいアフガニスタン人女性の生き方としてボクシングと学業の両立を目指すサダフ。だがその行く手には数々の脅迫と困難が立ちはだかっていた。
スペイン、アフガニスタン/2015年/74分/ドキュメンタリー
 【東京】10月3日(土)16:00 スパイラルホール
 【札幌】10月25日(日)19:00 札幌プラザ2・5
 【仙台】10月31日(土)16:00 せんだいメディアテーク
 『目を閉じれば、いつもそこに ~故郷・私が愛したシリア~』
『目を閉じれば、いつもそこに ~故郷・私が愛したシリア~』
【 日本初上映 】
2011年に始まった紛争によって、家族を失い家も街も破壊され、帰る場所を失ったシリア人。未だ収まることを知らないこの紛争は、かつて豊かだったこの国を、世界最大の難民発生国へと変えてしまった。それでもなお、ふるさと・シリアに帰りたいという想いを抱き続けている人々。紛争の裏側にある現実と、彼らの想いを伝える。
日本/2015年/57分/ドキュメンタリー
 【東京】10月3日(土)19:00 スパイラルホール
 【札幌】10月24日(土)19:00 札幌市時計台ホール
 【仙台】10月31日(土)19:00 せんだいメディアテーク
※上記3回の上映後に〔藤井沙織監督〕トークイベントあり
 『人の望みの喜びよ』
『人の望みの喜びよ』
©344Production
突然街を襲った大地震。両親を亡くした春奈と弟の翔太は心優しい親戚に引き取られるも、二人に幸せな日々が戻ることは無かった。新しい学校に馴染めない春奈。親が生きていると信じている翔太。二人の不安定な情緒は親戚一家にも伝播する。翔太のまっすぐな気持は少しずつ春奈の心を動かし、次第に溜め込んでいた思いが溢れ始める。そして春奈はある行動に出ることを決意する。
日本/2014年/85分/ドラマ
 【東京】10月10日(土)13:00 イタリア文化会館
 【仙台】11月1日(日)13:00 せんだいメディアテーク
※上記2回の上映後に〔杉田真一監督〕トークイベントあり
 『忌まわしき罪』
『忌まわしき罪』
© common good productions
【 日本初上映 】
レズビアンの若い母親シモーヌは家を出た路上で射殺されそうになった経験を持つ。今、彼女は祖国ジャマイカで娘と一緒にひっそりと隠れて生きるか、単身で外国へ逃がれるかを決めなくてはならない。ゲイの活動家モーリスはジャマイカのソドミー(同姓の性行為を違法とする)法に反対した為に迫害を受けカナダへと逃れるが、その後再び祖国での活動を再開する事を決める。ホモフォビアによって祖国に留まるか生き延びるかという選択肢を迫られる二人のジャマイカ人の物語。
アメリカ、カナダ、ジャマイカ、オランダ、イギリス/2013年/65分/ドキュメンタリー
 【東京】10月10日(土)16:00 イタリア文化会館
 【仙台】11月1日(日)19:00 せんだいメディアテーク
 『トランキランディア ―穏やかなる土地―』
『トランキランディア ―穏やかなる土地―』
©TRANQUILANDIA by Joel Stangle
【 日本初上映 】
コロンビアの北部では農民たちがそれぞれの土地に夢と希望を託した地名をつけていた。ドキュメンタリーの舞台となるその土地の名はトランキランディア、穏やかなる土地。だが10余年にも渡る住民に対する継続的な暴力により、今日そこには荒廃した農地と、殺され浮かばれない魂だけが残されている。農民たちは武力紛争に巻き込まれたのではない。彼ら自身が標的とされていたのだ。今、静かに彼らの声が真実を語る。
コロンビア/2014年/56分/ドキュメンタリー
 【東京】10月10日(土)19:00 イタリア文化会館
 『三つの窓と首吊り』
『三つの窓と首吊り』
【 日本初上映 】
紛争終結から一年後、コソボの人々はようやく平穏な日常を取り戻しかけていた。だがある日、一人の女性教師が良心にさいなまれ自身を含む4人の女性が紛争中にレイプされた事をジャーナリストに語る。やがてその事を知った父権的なバルカンの小さな村では様々な波紋が起きる。村人に沈黙を強いる村長。真実を恐れる夫たち。村の恥を晒したとして周囲に責められる女たちの行く末は―。
コソボ、ドイツ/2014年/94分/ドラマ
 【東京】10月12日(月・祝)13:00 イタリア文化会館
※上映後に〔黒澤啓教授(共立女子大学国際学部国際学科)〕トークイベントあり
 『アントノフのビート』
『アントノフのビート』
【 日本初上映 】
スーダン政府による空爆を逃れるため、青ナイル州とヌバ山脈の住民たちは過去数年に渡って難民キャンプでの避難生活を強いられている。ロシア製の貨物飛行機アントノフによる一般住民への無差別攻撃が続く中も、人々は笑いと音楽を絶やす事は無かった。音楽はただ苦難を乗り越える為だけのものではなく、コミュニティの共通の記憶を保存する重要な役割を担うものであった。
スーダン、南アフリカ/2014年/68分/ドキュメンタリー
 【東京】10月12日(月・祝)16:00 イタリア文化会館
※上映後に〔森裕之 JICA中東・欧州部次長〕トークイベントあり
 『ヤング・シリアン・レンズ』
『ヤング・シリアン・レンズ』
© Ruben Lagattolla
【 日本初上映 】
シリア、アレッポの苛烈を極める悲惨な日常をメディア・アクティビストたちの活動を通じて切り取るPOV(Point of View、主観ショット)型のドキュメンタリー。シリアの反体制抵抗運動の一端を担う組織的な活動として台頭した彼らだが、その武器はAK-47ではなく、カメラと情熱だけである。画面に映し出される映像は劇映画の様な編集を施していない、メディア・アクティビストたちと行動を共にした取材班による撮影ならではの生の、悲惨な現実そのものである。
イタリア/2014年/52分/ドキュメンタリー
 【東京】10月12日(月・祝)19:00 イタリア文化会館
※上映後に〔フィリッポ・ビアジャンティ、ルーベン・ラガットッラ〕トークイベントあり

スケジュール

【東京】
10月2日(金)スパイラルホール
 18:30『グッド・ライ~いちばん優しい嘘~』
10月3日(土)スパイラルホール
 13:00『ホープ』
 16:00『ボクシング・フォー・フリーダム』
 19:00『目を閉じれば、いつもそこに~故郷・私が愛したシリア~』
10月10日(土)イタリア文化会館
 13:00『人の望みの喜びよ』
 16:00『忌まわしき罪』
 19:00『トランキランディア―穏やかなる土地』
10月12日(月・祝)イタリア文化会館
 13:00『三つの窓と首吊り』
 16:00『アントノフのビート』
 19:00『ヤング・シリアン・レンズ』
【札幌】
10月24日(土)札幌市時計台ホール
 19:00『目を閉じれば、いつもそこに~故郷・私が愛したシリア~』
10月25日(日)札幌プラザ2・5
 13:00『グッド・ライ~いちばん優しい嘘~』
 16:00『ホープ』
 19:00『ボクシング・フォー・フリーダム』
【仙台】
10月31日(土)せんだいメディアテーク
 13:00『グッド・ライ~いちばん優しい嘘~』
 16:00『ボクシング・フォー・フリーダム』
 19:00『目を閉じれば、いつもそこに~故郷・私が愛したシリア~』
11月1日(日)せんだいメディアテーク
 13:00『人の望みの喜びよ』
 16:00『ホープ』
 19:00『忌まわしき罪』

会場

【東京】
スパイラルホール
 東京都港区南青山5-6-23 スパイラル3F
 東京メトロ「表参道駅」B1,B3出口を出てすぐ
イタリア文化会館
 東京都千代田区九段南2-1-30
 東京メトロ・都営地下鉄「九段下駅」2番出口より徒歩10分
【札幌】
札幌プラザ2・5
 北海道札幌市中央区南二条西5丁目
札幌市時計台ホール
 北海道札幌市中央区北1条西2丁目
【仙台】
せんだいメディアテーク スタジオシアター
 宮城県仙台市青葉区春日町2-1

入場について

・全プログラムで入場料はかかりませんが、各会場で寄付を募っています
・入場は先着順(予約不可)
・各回1時間前より、会場にて整理券の配布を開始
・各回20分前より開場
・各回完全入替制


『第10回UNHCR難民映画祭』
開催期間:
 【東京】2015年10月2日(金)、3日(土)、10日(土)、12日(月・祝)
 【札幌】2015年10月24日(土)、25日(日)
 【仙台】2015年10月31日(土)、11月1日(日)
会場:
 【東京】スパイラルホール、イタリア文化会館
 【札幌】札幌市時計台ホール、札幌プラザ2・5
 【仙台】せんだいメディアテーク
主催:国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所
パートナー:特定非営利活動法人 国連UNHCR協会、独立行政法人 国際協力機構(JICA)
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